電源キーを押せば10キー部分がホワイトのバックライトで光り、本体の右サイドが縦に明かりが灯ったような雰囲気になるのがちょっと洒落た感じである。この手の演出が上手いのはやっぱり機能より見た目で勝負なトンデモメーカーならではであろう。また7色に光るとか下品さがないのも好感が持てる。変なところに完成度を求めるアンバランスさもトンデモメーカーが得意とするところだ。
そしてフルキーボードをスライドさせて出せばディスプレイの表示も自動的に横長方向に切り替わる。モーションセンサは搭載していないので、キーボードのスライド操作によりディスプレイの縦横方向が変わるようになっているようだ。現実的な使い方としてもこの機能は妥当であり、使いやすくまとめてあると思える。ところがユーザーインターフェースが追いついておらず、横向きにするといきなり使いにくくなるのだ。
例えばディスプレイの右下には菜単=メニュー、の表示がある。だがフルキーボードにはこのソフトキーに対応するキーがない。ではどうやってメニューを選ぶかといえば、ディスプレイ右にある十字方向キー上にあるキーを押さねばならないのだ。このキーは本来、本体を縦にして使うときにディスプレイ下に表示されるソフトキーに対するキーなのだが、横にしてもこのキーしか反応しないというあたりは作りこみが甘い。
またメニュー画面やアプリケーションの大半はディスプレイの縦横表示切替に自動的に対応するものの、一部のアプリは横向き固定だったり縦固定だったりと操作系統が統一されていない。特にカメラアプリはフルキーボードを出した状態で起動してもユーザーインターフェースは横のまま。文字を打ちながらちょっと写真を、と思ったときにこれではちと使いにくいよなぁ。というか結局、Z8090はトンデモクオリティな製品であり、過大評価しちゃいけないものだったのね。
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