2008年8月に連載を開始した「山根康宏の中国トンデモケータイ図鑑」も無事2周年を迎え、連載3年目突入となった。この間の連載は45回。かなりの数の端末を紹介してきたが、これでも中国で売られているトンデモケータイ全体から見ればごくわずかにすぎない。今でも日夜、名もないメーカーからさまざまな新製品が登場しており、そのすべてを追いかけていたらおそらく一生かかってしまうだろう。また以前はひっそりと売られていたトンデモケータイたちも、最近では大手中国メーカーがトンデモっぽい製品を出してきたり、トンデモケータイをきちんとした製品として売り出しているメーカーも出てきている。中国のケータイ市場ではもはやトンデモケータイは無視できない存在になっているのだ。
今回は連載2周年ということで、これまでの連載を一度振り返ってみたいと思う。最初の頃は「中国行って見つけてきた変なケータイを紹介するだけで連載が続くだろうか」と心配が絶えなかったが、1周年を過ぎたころからは「お店に行けば必ず何かある」と逆に宝探し気分でトンデモケータイを見つけにいくことが日課のようになっている。ちなみに筆者は海外ケータイのコレクションをしており、今年中には800台になりそうである。以前は世界のケータイマーケットシェアに合わせたかのようにNokiaやSamsung、Sony Ericssonの比率が高かった。だが最近では毎月必ず買うのがトンデモケータイになってしまい、コレクション収納ケースの中も気がつけばトンデモケータイだらけになってしまった。塵も積もれば山となる、うーんこのまま連載を続けいてったら筆者のコレクションもトンデモケータイだらけになってしまいそうだ。
さて最近でこそ大手のニュースメディアで中国のトンデモなケータイが取り上げられることも増えてきた。また筆者の居住する香港でもトンデモケータイを売る怪しげなお店も増えてきている。だがやはりトンデモケータイを実際に探すのならば生産の拠点であり本場の中国へ行くべきだろう。中でも広東省の深セン市には世界中のケータイメーカーやOEM/ODMメーカーが集まっており、それに付帯してパーツメーカーなどもたくさん集まっている。だからあらゆる部品が入手可能であり、トンデモメーカーたちもそのエリアに集まってくるのだ。
深セン市には秋葉原のようなコンピュータ街があり、そこへ行けばトンデモケータイが山のように売られている。そしてビル丸ごとがトンデモケータイを扱っている「トンデモケータイ問屋」まであるくらいだ。ここに来るとトンデモケータイってもしかしてメジャーな製品なの?と、思ってしまうだろう。ちなみに深センだけではなく広州や上海、北京などの大都市、そして周辺の中都市などどこへ行ってもトンデモケータイビルがある。中国へ行く予定のある人は地元のタクシーの運ちゃんなどに「やすーい中国のケータイ売っているところを教えてくれ」といえばそんなところまで連れて行ってくれるだろう。但しスリ対策などの治安は自己責任で。観光地ではないので注意が必要だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」