最も重要なことかもしれないが、「Veer」「Pre 3」、そしてTouchPadの価格は全く分かっていない。その上、製品の出荷日も非常に曖昧で、月ではなく季節で示されている。AppleやGoogleパートナーの次世代製品が店頭に並んだ後になりそうだ。
しかしHPには、世界で最も有名なPCブランドという切り札がある。webOS搭載のPCを大量に出荷できれば、ソフトウェア開発者にとっては、自社のアプリケーションを販売できる巨大な潜在市場が突如としてできることになる。2010年にHPが販売したPCは6300万台に迫る。
もちろん、そうした転換が実現するにしても、一夜にして起こることはないし、しばらくの間はそれだけの販売台数にはならないのもほぼ確かだ。HPのパーソナルシステムグループ担当バイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)のPhil McKinney氏は、イベント後の短いインタビューで、最初のwebOSベースのPCは、「Windows 7」の上でwebOSを動かすことになる可能性が高いと述べた。McKinney氏は、webOSのみのPCの可能性を否定しなかったが、基本的な情報さえ話さなかった。
こうした曖昧な発言はさておき、今回の発表には明確なメッセージがある。FortuneのMichael Copeland氏が指摘しているように、HPはもはや、PCを販売するのにMicrosoftに頼る必要はないと考えている。
MicrosoftはHPのイベントについて社交辞令的な反応を見せており、声明で次のように述べている。「HPはMicrosoftにとって貴重なパートナーだ。互いの顧客に素晴らしいエクスペリエンスをもたらす多くの新製品に関して、今後もHPと緊密に協力していく」
しかし、Palmを12億ドルで買収してから、HPがMicrosoftのモバイルOSのロードマップから離れていったのは明らかだった。HPが両社の主要製品についてもMicrosoftを軽視する覚悟ができているかどうかはそれほど明確ではなく、webOSとWindows 7を自社のPCに使う際にどの組み合わせを選ぶのかは不明だが、HPが自社のソフトウェアをかなりはっきりと前面に出したからといって驚く人はほとんどいないだろう。
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