「Google TV」の可能性--Androidの成功を踏襲するには - (page 3)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年10月12日 07時30分

 言い換えれば、将来のコンテンツ制作について、Googleはそうした企業にインターネット優先で考えてほしいと強く思っている。Google TVはテレビの選択肢として全く新しい世界を開拓するもので、実績のあるテレビエクスペリエンスを犠牲にするものではないと指摘することでも、Google TVを売ることはできる。しかし、Googleがケーブルテレビや衛星テレビよりもインターネットを好むのには、ある大きな理由がある。

重要なのはデータ

 テレビネットワークやケーブルテレビの業界は、毎年3カ月間の「視聴率調査期間」と呼ばれる期間に視聴率を測定している。その視聴率は、その年の広告料設定の基準となり、テレビネットワーク全体での広告費の使われ方に影響を与える。

 しかし、この視聴率自体がジョークのようなものだ。最近のio9の記事によれば、Nielsenの視聴率測定装置が設置されているのはわずか2万5000世帯だという。さらにその装置は、DVR全盛の時代におけるコンテンツ消費を、常にうまく測定できているとは言えない。

 Google TVが広告主に対して潜在的に約束しているのは、量と質の両面で、もっと包括的なデータだ。Googleは、1年目はGoogle TVの広告を販売しないとしているが、広告が掲載されるのも時間の問題だ。さらに、Google TVが人気になれば、Googleの巨大な検索広告ビジネスと、同社の小規模ながら成長しつつあるディスプレイ広告ビジネスの両方にとって、カンフル剤になるだろう。

 その後、コンテンツ企業が納得して、インターネット向けにより強力なコンテンツを制作するようになれば(コンテンツ企業は広告費のあるところに動く)、高額なケーブルテレビや衛星テレビの契約を続けることにメリットを見いだす人は少なくなるだろう。

 しかし、仮にGoogle TVが成功するとしても、この変化が起こるには数年かかる。スポーツイベントの生中継や、各種授賞式番組、包括的なニュース速報などは、すぐにはなくならないからだ。

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