当然ながら、携帯電話の電波に関する問題を軽減する責任は、端末メーカーだけでなく携帯通信事業者にも問うことができるかもしれない。「アンテナゲート事件」に対するAppleの最初の反応は、同社が犯した唯一の間違いは「単純かつ驚くべき」ソフトウェア上の問題であり、実際の電波強度よりも多くのアンテナバーが表示され、「death grip」(致命的な握り方)をするとそれらのバーが消えるというものだった。その主張は、本当の問題があるのはAppleではなく提携キャリアかもしれないという可能性を暗に示していた。米国ではiPhoneはAT&Tのネットワークでのみ利用可能だが、iPhoneユーザーの間で同社サービスの評判は良くない。そのことはiPhoneが間もなくVerizonでも利用可能になるかもしれないといううわさが出たり消えたりするたびにiPhoneファンたちが一喜一憂する様子を見ても明らかだ。
論争をいっそう激化させたのは、影響力のある報告書Consumer Reportsが7月に、iPhone 4のアンテナ問題だけでも、代わりに下位機種の「iPhone 3GS」の購入を勧める十分な理由になると述べたものの、実のところそれは前言を翻しての発言だったという事実だ。Consumer Reportsはその2週間足らず前に、アンテナ問題は実は携帯電話業界ではよく起こっていることだと述べていた。
「実際、最もパワフルなスマートフォンから最も基本的な折りたたみ型機種に至るまで、すべての携帯電話は常に、人間という大きな通信障害を克服しなければならない」。Consumer Reportsは7月2日のブログ記事にこのように記している。
市場調査会社NPD GroupのアナリストであるRoss Rubin氏は19日に米CNETに対して、「特にRIMは、アンテナ設計分野では自社がリードしており、iPhoneが直面しているような問題を回避するための手段を講じ、iPhone 4で使用されているアンテナ設計を避けてこの種の電波干渉に対する耐性のより高いアンテナ設計を採用したと述べている」と語り、「RIMの声明では、同社のデバイスで身体の接触に起因する受信感度の低下が一切起こらない、と言っているわけではない」と続けた。
よってある程度は、Appleの競合他社たちも自社の体面を保つよう努力しているのかもしれない。その結果、少なくとも現時点では、すべての携帯電話ユーザーにとって問題があるのか、それともどのユーザーにとっても問題はないのか、そして大量の無償ゴム製バンパーについて、言葉の応酬が見苦しさを増すばかりだ。
「競合他社の端末は確かにこの種の電波干渉についてより耐性が高いかもしれないが、一定の条件のもとでは問題と無縁ではないということを受け入れれば、Appleと競合他社が出している声明のつじつまを合わせることができる」(Rubin氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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