報道によると、Appleが同社の「iPhone」で利用できる広告ネットワークについてのルールを変更したことで、米独占禁止当局が調査に乗り出す動きがあるという。
The Financial Timesは米国時間6月10日、この状況に近い2つの情報筋がAppleの7日の行為に対して「関心を持った」と伝えている。調査が行われるとして、米連邦取引委員会(FTC)と米司法省(DOJ)のどちらが担当するかはまだ分からない(本稿執筆時点)。しかしFTCは、最近完了したGoogleによるAdMobの買収に関連して、ここ数か月間モバイル広告市場をあらゆる角度から調査してきたため、FTCが担当する方が理にかなっているだろう。
この懸念は、Appleが開発者に対し、「Apple以外の携帯端末やモバイルOS、開発環境の開発者または配布元が所有もしくは提携する広告サービスプロバイダー」と解析データを共有するiPhoneアプリケーション内広告の使用を禁止したことから生じている。携帯端末やモバイルOSの開発者または配布元が所有もしくは提携しているモバイル広告サービスプロバイダーのなかでも傑出しているのは、現在はGoogleが所有するAdMobだ。
Appleは、同社のプラットフォームから主要な競争相手を排除し、一方で多くのより小規模な広告ネットワークには活動を許しているように見えるかもしれない。
しかし、これは違法だろうか。こうしたケースで問われるのは常に、Appleが市場において、自社のルールを他社に強いるだけの力を持っているかどうかということだ。米連邦政府が懸念するのは、Appleのシステムの外側に健全な広告ネットワーク市場ができるかどうか、そして、開発者が簡単に広告ネットワークを乗り換えることができ、Appleの広告ネットワークとほかの広告ネットワークとの間に競争が生み出されるかどうかという点だろう。
では、Appleの行為によって、規制当局が本格的な懸念を抱くようになるのだろうか。そうかもしれない。それは、最近の動きを独立したものとして見るか、もっと大きなパターンの一部として見るかによって異なるし、市場をどう定義するかによっても異なる。Appleは、モバイル広告においては比較的新しく、スマートフォン全体の市場で非常に目立っているといっても、市場を支配しているわけではない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」