Wolfram|Alphaが、Googleに戦いを挑もうとしたほかの新興企業と異なるのは、利益を上げているということだ。Wolfram氏は「2009年は利益が出た。2010年も利益が出るはずだ」と述べたが、具体的な金額は明かさなかった。
MicrosoftのBingとのコンテンツ契約がWolfram|Alphaの収益に寄与しているのは間違いないが、同社は複数の広告主とスポンサーシップ契約を結んでもいる。これは、Googleが検索結果に連動する従来型の検索広告で莫大な利益を上げてきたのとは対照的だ。Wolfram氏はそれ以外のライセンシング契約の可能性についてコメントを控えたが、「これを始めて本当に良かったことの1つは、われわれが全ての大手関連企業と交流できる機会を得られたことだ」と述べた。
Wolfram氏は利益を上げることにモチベーションを感じて検索市場に従事しているわけではないが、もちろん儲かって困るということはない。Wolfram氏にとって利益よりも重要な目標は、気の遠くなるような大規模プロジェクトに挑んで、実際にそれを成功に導くことだ。このケースで言えば、数学の方程式と同じように知識を計算できるシステムの構築に挑むことである。
しかし、インターネット検索は現在、比較的動きが少ない市場である。MicrosoftとYahooは莫大な金額を投じてGoogleからシェアを奪おうとしているが、あまり上手くいっていない。ほとんどのユーザーは、今知っているものを使い続けることに満足しているようだ。
つまり、Stephen Wolfram氏の趣味が本当の意味で検索業界を揺るがすものに変わるには、非常に長い時間を要する可能性がある。
Wolfram氏は数十年をかけて開発された自身のMathematicaソフトウェアに言及して、「わたしは常に長期プロジェクトに取り組んでいる」と述べ、「Wolfram|Alphaも同様に大規模なプロジェクトになるだろう」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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