Wolfram|Alphaの初公開は少し危なっかしいものだった。同サイトは、竜巻警報が出されている最中にイリノイ州シャンペーンにある同社本社で行われたローンチイベントを、一般に放送することに決めた。そして、ネットワーキングやデータベースの問題により、Wolfram氏と同氏のエンジニアは、多くの野次を浴びた。
しかし、そうした障害が解決されると、Wolfram|Alphaはウェブ検索ユーザーの間で注目される存在になった。最大の問題は、人々がWolfram|Alphaの使い方を理解していなかったことだ。彼らはGoogleやYahoo、「Bing」が提供するキーワードによる検索に慣れていたが、キーワード検索は必ずしもWolfram|Alphaで検索結果を得る最良の方法ではない。
目的のサイトへのリンクが表示されるものと思っていた人々は、Wolfram|Alphaの検索結果に何が出力されているのかも正確には理解していなかった。ほかの検索エンジンと異なり、Wolfram|Alphaは検索クエリを分析した後、対象分野の専門家によって精査され、承認されたコンテンツのデータベースを調べることによって、独自の検索結果を出力する。
今から1年前、Wolfram|Alphaは任意のクエリに対し、約3回に1回は応答を返すことができなかった。Wolfram|Alphaはそのエラー率を約10%まで引き下げた。Wolfram氏は、Wolfram|Alphaが処理する全クエリの50%は従来の検索エンジンでは1つも結果を返さなかったことも指摘している。つまり、Wolfram|Alphaはほかの検索エンジンが答えられない質問に答えているということだ。
「われわれがやろうとしているのは、あらゆることに関する専門知識をまとめることだ。そして、専門知識には専門家が必要だ。ウェブのあちこちに無作為に置かれているデータを、使いたいとは思わないはずだ」(Wolfram氏)
Wolfram|Alphaにフルタイムで取り組んでいる人は、わずか250名程度だ。そのため同社は、検索ユーザーに提示するデータの正確性を証明するために、外部のボランティアネットワークに頼らなければならない。
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