Microsoftは今週、同社検索エンジン「Bing」のアップデートを実施する計画だ。
Googleに対抗しようとしているBingの主な機能の1つには、検索結果の右側をマウスオーバーすると、リンク先ページのプレビュー情報を見られる点が挙げられる。今週のアップデートでは、このマウスオーバーで表示される内容に、サイトのサムネイルプレビューなど、より詳細な情報が追加される予定だ。
単にもっと多くのユーザーを獲得するという難関以外にも、Bingにとって課題となっているのは、マウスオーバーで利用できる機能の存在を、いかにユーザーに気づいてもらうかという点がある。Microsoftの調査で明らかになったこととして、マウスオーバーでプレビューを利用できる機能について知っているユーザーは同機能を多用しているものの、大半のユーザーは、その機能の存在すら知らないという。Microsoftはこれまで、いくつかの異なったビジュアルサインを試験的に導入して、ユーザーがプレビューを利用できることに気づきやすくしようとしてきた。
このマウスオーバー機能は、Microsoftが2008年に買収したPowersetを中心とするサンフランシスコのチームによって開発が進められた。セマンティック検索技術の研究開発を行ってきたPowersetは、Bingの「Wikipedia」インデックスにも活用されている。
Bingの最新アップデートには、Wolfram|Alphaとの提携による初めての成果も含まれている。たとえば、この提携により、「how many calories in a hamburger(ハンバーガー1個のカロリー量)」といった特定の健康分野の検索を行うと、Wolfram|Alphaからの検索結果が表示されるようになる。Microsoftは米国時間11月11日、公式ブログへの投稿にて、数学的な計算分野でも、新たにWolfram|AlphaからBingへ情報が提供されることを明らかにした。数週間前にWolfram Alphaは、商用ライセンスプログラムを正式に発表しているが、その最初の顧客がMicrosoftであると明かしている。
Bingに加えられる他の変更点としては、天気やイベント情報などのトピックを対象とするローカル検索の改良が挙げられる。
Microsoftは、こうした一連のアップデートを今週中にBingへと追加していく。また、Microsoftは10日、同社の提供する「MSN Video」サイトをBingの傘下へと移行して、Huluを始めとするサイトから動画を視聴可能な新しいビデオページを追加したと述べた。
同社はまた、「Bing Maps」に対する改良も発表しており、マウスを用いて推奨ルートを変更し、ルート再検索が可能になっている。
Microsoftは、大きく差を開けられているライバルのGoogleから、シェアを奪うべくGoogleよりも注目を集める手法を模索している。今回のアップデートはそういう状況下でのことである。MicrosoftはBingを立ち上げて、若干のシェア拡大には成功してきたものの、依然として大きくシェアを奪う試みにおいては高いハードルがあることに気づかされている。
インターネットトラフィック調査会社のExperian Hitwiseは11日、Bingの検索市場シェアが10月に9.57%に達したことを明らかにした。これは9月の8.96%というシェアから上昇しているものの、米国内の検索市場で70%以上のシェアを確保したGoogleには非常に大きく差をつけられており、米Yahooのシェアも16%を占めている。
新機能の追加は確かに重要であるものの、検索シェア争いで優位に立つのはかなりの挑戦である。Microsoftが10月にTwitterからのツイートをリアルタイムに検索インデックスに含める方針を発表した数時間後には、Googleも同じような計画を発表するに至っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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