失うもの:広告検索の広告主との関係。ディスプレイ広告販売事業は残しているが、それも当面の間だ。それ以外の点では、Microsoftは抜け目なく、この提携をうまくやり遂げたように見える。
次に起こること:検索をめぐるGoogleとの競争激化。これは、両社に互いを嫌う理由が増えるというだけのことだ。
得るもの:時間。この提携は、まとまるまでに数年ではないにせよ数カ月はかかる、厄介な統合プロセスになるだろう。Googleの営業担当者は29日の午前中、主なクライアントすべてに電話をかけ、この統合プロセスに伴って不確実性が生じること、そして広告費はもっと安定した事業に費やしたほうがいいということを念押ししたことだろう。Googleはまた、YahooとMicrosoftの検索資産を組み合わせれば非常に大きな市場シェアになることを指摘することで、自社に向けられてきた独占禁止調査の一部をそらすことができるだろう。
失うもの:YahooとMicrosoftの検索を対抗させて、漁夫の利を得ることはできなくなった。ばらばらに競争していたのでは、どちらの企業にとっても、単独でGoogleにしっかりと攻め込むことははるかに難しかっただろう。またこの提携によって、Microsoftは確かな技術的な脅威となる。Microsoftには、Yahooの検索技術開発のなかで最善のものを選び取り、評判が良いBingに組み合わせる権利があるからだ。
次に起こること:しばらくの間はこれまでどおりのビジネスだろう。Googleには、この提携が発表される前に、検索市場での優位を譲るつもりはまったくなかった。今後数年間、その見込み通りに実践するためには、一層の圧力を受けることになるだろうが、この状況をGoogleが予測していなかったわけではない。
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