The Wall Street Journalによると、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は米国時間12月5日、検索分野での米Yahooとの提携はなるべく早期に締結するのが望ましいとする一方で、将来のYahooとの提携を見越してYahooの元検索部門の幹部であるQi Lu氏を採用したわけではないと語ったという。
Microsoftは4日、Lu氏を同社のオンラインサービス事業のプレジデントとして採用したと発表した。Lu氏は、Microsoftへ入社する前にYahooのEコマースおよび検索事業担当バイスプレジデントを務めていた。Microsoftはこれまで、Yahooの検索事業の買収に対する興味をたびたび示してきた。
仮にYahooと提携した場合、Lu氏の採用により、Yahooが持つ検索分野の資産の統合はより容易になるかとの問いに対し、Ballmer氏は次のように答えた。「検索分野における提携は、MicrosoftとYahooの双方にとって大変理にかなっていると考える。その点に関しては、これまで率直に述べてきたつもりだ。それはQiの入社前も、入社した現在も変わらない。たしかに、そのような事業の統合計画は(中略)双方の事情を把握している人物がいればより容易になる。しかし、それが理由でQiを採用したわけではない」
Ballmer氏は続けて「われわれは、ポータルおよび検索分野をとても重視しており、仮にYahooとの提携などを行わなくても、 Qi氏には是非入社してもらいたかった。仮にYahooに何かしらの変化が生じ(検索分野で提携することになれば)、統合プロセスはいくらか容易になるだろうが、それは予期せぬ幸運にすぎない」と述べる。
Ballmer氏によると、現在、MicrosoftとYahooの両社は、検索分野の提携についての交渉は一切行っておらず、Microsoftはそのような提携を迫られているわけではないという。
しかし、Ballmer氏は、検索分野での提携は両社にとって「好都合」と付け加え、「Yahooと検索分野で提携する基本的な根拠は、広告市場におけるクリティカルマスと関係しており、技術など他のこととは無関係だ。これは、まさに市場との関連性の話である」と続ける。
「(提携が実現すれば)われわれが抱える広告主の数も増える。(中略)つまり、ウェブページに掲載される関連広告が増えるということだ。より多くの人がより多くのキーワードに入札するようになるため、より収益化しやすくなる。最も重要なことは、本物かつ確かなGoogleのライバルがより早く出現するということだ」とBallmer氏は述べた。
Ballmer氏は続けて「良いアイデアは、通常なるべく早く実行すべきだと考えている。よって、(検索分野における提携も)なるべく早く締結する方が両社、特にYahooにとってより好ましいだろう。しかし、最終的には、わたしが提携への関心を表明してきたように、Yahooも提携に興味を持つ必要がある」と述べる。
Lu氏は2009年1月5日からMicrosoftでの業務を開始する。同氏は、Microsoftの製品およびユーザーエクスペリエンスの質を向上させる「人材、コアインフラ、基本プロセス」といった分野に専念する予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス