もしかすると、Dellの不遇の時代はようやく終わりを迎えるかもしれない。
すべての兆しが、PC市場の回復が2009年中に形をとりはじめ2010年には本格的に進行することを示している。Dellは景気後退によって最も大きな打撃を受けたPCメーカーといえるが、情勢が落ち着き始めたときには、最大の恩恵を受ける立場にあるともいえる。
なぜDellなのだろうか。PC業界が回復へと180度転じる鍵となるのは、大企業顧客が従業員用のコンピュータの購入を再開することだ。多くの大企業が、予算の縮小により、またMicrosoftが新しいOSをリリースするまで待つという判断により、PCの新規購入を事実上凍結していた。
しかし先週になって、業界の回復が間近に迫っていることを示す3つの明るい兆候が見られた。Dellは米国時間7月13日、同社の製品(PC、サービス、サーバ)に対する需要が「安定しつつある」と、わざわざプレスリリースで発表した。これは、個人や企業の購買が増えていることを意味しており、それによりDellが8月に発表する同社の第2四半期の売り上げは若干増える見込みだという。
これに続き7月14日にIntelが、同社の第2四半期の業績の中で楽天的な見通しを示した。市場に対するIntelの見方はテクノロジ業界にとって重要な指標であり、同社が発表した第1四半期に対する第2四半期の成長率は、過去約20年で最高だった。Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は、「下半期は季節要因により、一層力強い成長が確かに期待できる」と宣言した。
IDCのPC市場アナリストが15日に発表した調査結果は、全世界のPC出荷台数が予測を上回る成長を見せていることを示しており、この発表により一連のニュースがすべて結び付けられる形となった。2期連続でPC出荷台数は減少したが、予測は上回った。IDCによると、第2四半期の出荷台数の減少は3.1%にとどまったという。回復は目前に迫っているようだ。
PCメーカー | 出荷台数 (単位:1000台) | 市場シェア(%) |
---|---|---|
HP | 13095 | 19.8 |
Dell | 9108 | 13.7 |
Acer | 8431 | 12.7 |
Lenovo | 5757 | 8.7 |
東芝 | 3494 | 5.3 |
その他 | 26407 | 39.8 |
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