PC業界が最悪期を脱しつつある、という明るい兆候が見え始めている。
全世界のPC出荷台数は2期連続で予測を上回った。米国時間7月15日にリリースされたIDCの「Worldwide Quarterly PC Tracker」によると、2009年第2四半期のデスクトップとノートブックの出荷台数は、前年同期と比べ3.1%減少した。マイナス成長ではあるが、6.3%減というアナリストの予測値を考慮すると、明るい兆候が読み取れる。
14日に発表されたIntelの決算が予測を上回ったことと、コンピュータの需要は安定しているというDellの発表が相まって、目前の回復に向けて業界の機は熟したようだ。
「最悪の状況を脱しつつあるようだ」とIDCのPC Tracker担当ディレクターのLoren Loverde氏は述べた。「まだマイナス成長だが、第1四半期よりも伸び率は向上している。これは、好転中であることをきわめてよく示している」
世界各地で業界アナリストの予測に一致するまたは上回る結果が出て、全世界で向上が感じられた。Loverde氏の指摘によると、開始当初これらの期待は非常に低いものであったが、すべての地域で十分な成果を得られたことは良い兆候だという。
Acerは業界最高の成長を続け、全世界での出荷台数が23.7%増加した。いまやDellのすぐ後に位置し、全市場の12.7%のシェアを持って世界第2位のPCメーカーの地位を争っている。
コンピュータの全出荷台数の13.7%のシェアを持つDellは、この四半期を通じ新しいノートブックのデザインとネットブックを改良した。しかし、長年首位の座を保つHewlett-Packard(HP)には大きく水をあけられ、なんとかAcerには抜かれまいとしている(HPのPC出荷台数シェアは19.8%)。この点から、これらの分野でのDellの弱点が浮き彫りになっているといえる。Dellが最近までほとんど注目しなかった分野をAcerが攻略しているのだ。
「コンシューマ向けポータブルモデルが伸びている証拠だ。Dellはこの分野を注目せず、強みを持たないが、Acerは重点を置き、強みを持っている」とLoverde氏は語った。「Acerは、特に欧州で幅広い販売網を持っている。急激な拡大と米国をあまり重視しない方針で、Acerは市場よりも高い伸び率を維持するだろう」
しかし、Acerにも課題はある。AcerはDellやHPよりもはるかに規模が小さく、低価格のノートブックに重点を置く傾向がある。これは、将来利幅の大きな製品に移行するときに足かせになるだろう。
LenovoはPC出荷台数で8.7%のシェアを持ち、第4位を維持している。その後に続くのが、5.3%のシェアを持つ東芝だ。東芝はAcerに次ぐ伸び率で(第2四半期は10.5%)、ネットブックに強みを持ち、特に日本での販売が好調だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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