Dellも、そして過去数年間連続で世界最大のPCメーカーの地位を維持しているHewlett-Packard(HP)も、回復が本格的に軌道に乗ったときに恩恵を受けるだろう。両社はいずれも企業向けコンピューティングに重点を置いている。しかしDellよりもHPの方が、強力な経営体制、コスト削減、ネットブックなどの新しいコンシューマートレンドへの迅速な対応により、テクノロジ業界の景気後退をうまく切り抜けてきた。
したがって、「Windows 7」がリリースされる2009年秋から予算に余裕ができる2010年にかけて、企業が再び実際に大規模な支出を始めるようになれば、HPの業績が過去数カ月間でそれほど悪化していないという理由だけでも、Dellの向上の度合いは全体としてHPより比較的高くなるはずだ。HPの出荷実績は第2四半期に3.6%上昇したのに対し、Dellは17.1%下落した。
ここ数年は、Dellにとって厳しい時期だった。Dellは、2006年に始まった消費者によるノートPC購入の急激な増加に、注意を払っていないようだった。HP(そしてAcer)は、市場の変化を察知し、うまく適応して、前進をためらうことがなかった。Dellはそれ以来、いくつか新しい戦術を駆使してビジネスの活性化を図ってきた。例えば、小売りビジネスへの復帰、製品デザインへの注力、組織の大規模な再編、工場の閉鎖や数回にわたるレイオフによるコスト削減などだ。
Dellはまだコストの適正化に努めている途中であるが、それでも最近はコンシューマー向け製品のラインアップを拡充することに多大な注意を払ってきた。数カ月前には高価格のノートPC「Adamo」をリリースし、より低価格のネットブック「Inspiron Mini」の追加機種も出荷開始した。この取り組みはまだそれほど大きな成果をもたらしていない(直近期の売り上げは63%の減少となった)が、市場がより安定すれば、コンシューマーと企業顧客向けに幅広い多様な選択肢を取りそろえていることが有利に働くはずだ。
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