ワシントン発--当地で開催された、将来の電力業界についてのカンファレンスで主役となったのは、Google、IBM、Cisco Systems、Intel、そしてスマートグリッド分野の新興企業だった。その理由は何か。データだ。
電力網の近代化とは、単に送電線を新たに敷設したり、スマートメータを設置したりすることではない。米国時間6月18日に、コンサルティング会社KEMAがワシントンで開催したカンファレンスUtility of the Futureに参加した人々は、それは情報に関する大きな挑戦でもある、と語った。
有力なIT企業は、電力インフラストラクチャをアップグレードするために、世界中のイニシアチブを活用しようとしている。米エネルギー省は、莫大な金額のスマートグリッド奨励金の配分方法を、近く発表するとみられている(編集部注:本稿執筆時点)。
スマートグリッドは、クリーンテクノロジを対象とするベンチャーキャピタリストが好む分野の1つにもなっており、スマートグリッドをより効率的に稼働させ、太陽発電や風力発電とさらに統合させようとする新興企業を多数生みだしている。
全体として見れば、それはバブルを生み出すことになりうる組み合わせだと言うのは、Expansion Capital Partnersのクリーンテクノロジベンチャーキャピタリスト、Diana Propper氏だ。
Propper氏はパネルディスカッションで次のように述べている。「ベンチャーキャピタルの資金か、あるいは企業や政府の資金かということにかかわらず、あまりに多くの資金が飛び交っているので、そうした資金が効率的に使用されないのではと心配している。バブルの危険性が現実になっている」
スマートグリッドは10年前から話題になってきた。しかしPropper氏は、要素の組み合わせによってこのビジョンが現実に近づいていると述べ、信頼性や二酸化炭素排出量削減の必要性、そしてよりテクノロジに精通したエンドユーザーの登場を指摘した。「転換点はすでに通過している。この分野で、途方もない量の資本を目にすることになるだろう」(Propper氏)
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