Verizon Communicationsは、自社のブロードバンドサービス「FiOS」を活用して、サーモスタットを遠隔管理したりエネルギー使用状況を調べたりする仕組みを模索している。
Verizonの技術者は現在、FiOSサービスに伴うルータを利用してエネルギー管理などを行う新しいアプリケーションを設計している。Greentech Mediaが米国時間3月25日に伝えた。
Verizonの広報担当Jim Smith氏によると、まずテレビ会議のアプリケーションを2009年内に発表する見込みで、ホームセキュリティやエネルギー管理向けのアプリケーションも検討しているという。
「通信事業者にとって、ホームネットワークは次のフロンティアだ。有用で価値あるアプリケーションを準備しておきたい」(Smith氏)
同社のルータはWi-Fiチャネル3本と複数の有線イーサネットポートを備えており、遠隔からルータをアップデートできる。これは、ルータがIPアドレスを持つ家庭用機器を管理する中央コントロール拠点になることが可能だということを意味しているとSmith氏は述べる。
たとえば、IP対応のサーモスタットがあれば、モバイル端末から温度設定を変更したり、電動式ブラインドの動作時刻を設定したりすることができる。
またひょっとすると、いわゆるスマートメーターはエネルギー使用状況のデータをほぼリアルタイムで通信できるため、そのデータを同社のルータで収集すれば消費者が利用状況を記録することもできるだろう。
Googleは「Google PowerMeter」と名付けた家庭用エネルギー管理アプリケーションを試行しており、そうしたデータがわかるだけでエネルギー消費を標準的な消費者で5〜15%削減するのに役立つと同社は述べる。
現段階で多くの人々は、ユーティリティ事業者がスマートグリッドプログラムを通じて家庭用エネルギー管理サービスの先頭に立っていると見込んでいる。現在進められているスマートグリッドプログラムの試行では、一般的に利用者へ詳細なエネルギー利用情報を提供し、優遇することでピーク時間帯のエネルギー使用を抑えようとしている。しかし、通信事業者とは異なり、ユーティリティ事業者はテクノロジの受け入れに腰が重いことで知られている。それどころか、スマートグリッド技術についてはまったく関心を示さないか、エネルギー効率への投資に消極的なユーティリティ事業者さえ存在する。
Smith氏によると、Verizonはエネルギー管理サービスを消費者に直接提供できるし、あるいは地域のユーティリティ事業者と提携する可能性もあるだろうという。
GlobalSmartEnergyのアナリストで、Smart Grid Newsを創設して編集者を務めているJesse Berst氏は、通信事業者とエネルギー事業者は一般消費者向けエネルギー管理サービスでライバルになるだろうと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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