Googleが、今度は家庭のエネルギー情報の整理に乗り出した。
検索大手のGoogleは米国時間2月10日、急成長するスマートグリッドソフトウェア事業に進出し、家電製品ごとの電力消費量を表示する家庭向けウェブアプリケーションの試作版を披露した。このソフトは、家庭の電力消費量を電力会社に数分刻みで通知する機能を持つ、いわゆるスマートメータを利用する。
このiGoogleガジェット「Google PowerMeter」、さらにはほぼすべてのスマートグリッド企業は、家庭のエネルギー消費データを消費者がより詳細に知ることを可能にすれば、電力利用量の抑制につながるという考えに基づいている。現在、数十件のスマートグリッドの試行プログラムが実施中で、電力会社経由で提供されている。
Googleのソフトウェアをテストしている、同社の社員でエンジニアのRuss Mirov氏は、効率の悪い冷蔵庫の買い換えやプールのポンプを定期的に休ませることで、過去1年で電力使用量の64%削減を達成し、約3000ドルを節約したという。
Googleは数字を挙げ、リアルタイムのエネルギー使用量を定期的に目に見える形で確認することがユーザーの電力利用量の削減を促し、行動の変化により平均で5%から15%の利用量削減につながると述べている。Google PowerMeterは現在、非公開ベータ版で提供されている。
Googleはスマートグリッドの推進にあたり、電力会社が支援するプログラムを通すのではなく、消費者に直接アプローチする手法をとっている。通常、スマートグリッド企業の顧客は電力会社で、こうした企業が電力網をより効果的に運営できるよう、スマートメータやソフトウェアを提供するのが普通だ。こうしたプログラムの一環として、多くの場合、電力の利用状況に関するリアルタイムの情報を得る手段が消費者に提供される。
Googleは、スマートグリッドに関する政策にも影響力を行使しつつある。同社は10日、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)に対する提言を発表し、家庭のエネルギー消費データは、リアルタイムかつ無料で、さらには標準化されたフォーマットにより消費者に提供されるべきだと主張した。
Googleの公式ブログにある声明は「残念ながら、現在のスマートメータには電力を消費しているユーザー本人にデータを表示しないものが多数ある。われわれは、この状況は受け入れがたいと考えている。各人のエネルギー利用に関する詳細データはその人に属するものであり、標準化された、独自仕様ではないフォーマットで利用できなければならないというのが、われわれの考えだ」と記している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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