IntelとNokiaは、モバイル製品向けチップ、ハードウェア、ソフトウェアをカバーする広範囲に及ぶ分野での提携関係を結んだことを、米国時間6月23日に発表した。
両社は、新たな「長期的提携」において、主にチップアーキテクチャやソフトウェア、Intelベースのモバイルコンピューティング分野の次世代デバイスなどの新開発が進められることを明らかにしている。今回の発表は、Intelにとって、PC向けチップメーカーとしては巨大なシェアを誇るものの、携帯電話向けチップではこれから成長を遂げねばならない中での、一連の大きなシフトの一環を成すものとなる。
また、他の側面としては、両社の提携により、「ユーザーフレンドリーな、ポケットに入る小型フォームファクタでの」ワイヤレスインターネット接続およびモバイルアプリケーション分野の開発も進められるという。
さらに、IntelとNokiaは共同で、複数のオープンソースのモバイル向けLinuxソフトウェア開発プロジェクトに携わる。Intelは、次世代製品に用いるため、Nokia製のHSPA/3GモデムのIPライセンスも取得することになっている。
Nokiaは「現在市場に出回っている、各種デバイスやサービスをはるかに越えた、設計、素材、ディスプレイ分野での革新的なアイデアを模索していくことになる」との発表声明を出した。
Intelにとっては、今回の提携によって、小型デバイスやスマートフォン分野への進出に弾みがつくことになる。Nokiaとの提携は、Intelが2月に発表したLG Electronicsとの提携により、Intelの次世代の「Moorestown」シリコンや、Linuxベースの「Moblin」ソフトウェアに基づくスマートフォンの共同開発を進める計画に続くものとなっている。
Intelは3月にも、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)と提携し、Atomプロセッサの製造分野で協力することを発表している。
こうした一連の提携発表が目指しているのは、2008年中には10億台を超える世界市場規模に達した携帯電話という領域に、Intelのアーキテクチャを採用したチップの搭載を進めることにある。
世界最大のチップメーカーであるIntelは、携帯電話市場においても、最大シェアメーカーとなるべく成長していく必要がある。AppleのiPhone、Palm Pre、T-MobileのGoogle Androidを搭載したG1といったスマートフォンには、まるでPCのような多彩な機能が備わっており、ウェブの閲覧、動画のストリーミング、ゲームプレイなどの分野で、ますますPCとの格差がなくなってきている。
東芝は、このほど1GHzのQualcommプロセッサを搭載するスマートフォンを発売した。
Texas Instrumentsや他のチップメーカーも、デュアルプロセッシングコアを持ち、動画処理性能を向上させた、より高速なスマートフォン向けプロセッサを、2010年にも出荷する予定である。そして、先週には、Microsoftの「Zune HD」へ、NVIDIA製のチップが採用されることが明らかになった。
このすべてのデバイスやテクノロジに共通していることは、何であろうか?すべてが、ARMの設計に基づくチップを採用しているという点である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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