それでもCook氏は、Appleを犠牲にして米国内で多くの市場シェアが獲得されたが、それは安価なネットブックの人気が原因と指摘した。Cook氏は、ネットブックについて、「小さくて使いづらいキーボード、ひどいソフトウェア、がらくたのようなハードウェア」を備えていると表現した。同氏が語らなかったものとして、ネットブックの最大の欠点である、フルサイズのノートPCと比較した利益幅がある。またCook氏は、Appleがネットブックを発売する可能性を完全に排除しようとはしなかったものの、同社が違ったアイデアを考えているというような口ぶりであった。
Cook氏は「本当に役に立つ、革新的な製品を提供できる方法を見つければ、それを実施するつもりだ。この分野で面白いアイデアをいくつか考えている」と述べる。クパチーノにあるトップシークレットの研究所に、3つか4つの異なるネットブックやタブレットMacのプロトタイプが転がっているのを想像するのは難しくない。リリースに踏み切る前に、Appleは使いやすさとスタイル、利益の最適な組み合わせを試すのだ。
同じようにCook氏は、米国における独占的なiPhoneパートナーとしてのAT&Tに対する、Appleのコミットメントを繰り返し表明した。Appleウォッチャーの中には、AT&Tのネットワークのパフォーマンスに関する懸念が強まるにつれて、米国内のパートナーを拡大するようAppleに求めている人々もいる。
Cook氏は「われわれは、AT&Tを非常によいパートナーだと見ており、米国で最も優れた携帯電話プロバイダーだと信じている。iPhoneに関するパートナー関係を変更する計画はない」と述べている。
Verizonは公式声明で、AppleがiPhoneに対して維持したいと考えているコントロールをめぐって、iPhoneのプロバイダーとなる機会を拒絶したとしている。これとは反対に、Cook氏は「われわれは、iPhoneの初期段階から、全世界で1つの携帯電話に集中することを選択していた。そうする場合、GSMの道を行くことになる」と述べている。Verizonは、将来のLTE規格への移行に向けて、GSM事業者(AT&T、T-Mobile)に加わることを計画していると発表している。そうなれば理論上は、AppleがVerizonのiPhoneを出荷できるようになるのだが、そうした方向転換は今後何年も起こらないだろう。
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