Appleは、ホリデーシーズンの「奇跡」のない四半期としては、同社史上最高の好決算を達成したことから、戦略を大きく変更することはないだろう。
ここ数十年で最悪の不況が、家庭用電子製品大手、つまり現在のAppleに与えてきた影響は限定的なものだ。Appleの第2四半期(2009年1-3月期)の決算は、「Mac」の販売が比較的不調だった四半期であることや、低価格ネットブックの台頭、Research in Motion(RIM)の「BlackBerry」といった「iPhone」ライバル製品の堅調さにもかかわらず、ウォール街の予想を打ち破ることとなった。
経済状況が悪化する中、一部のアナリストや評論家は、低価格Macの投入や携帯電話会社の追加により、Appleはその経済的な原動力を稼働させ続ける必要があるという見解を述べてきた。Appleの最高執行責任者(COO)であるTim Cook氏の意見は異なる。
Cook氏は米国時間4月22日、Appleは、Macをハイエンドで利益率の高いブランドとして保護し、iPhoneの流通機会を徐々に広げていく戦略を信頼しているという立場を明確にした。Appleが第2四半期に米国内での市場シェアを失ったこと、そして米国のiPhoneの潜在顧客がiPhoneを購入したがらない最大の理由は、それがAT&Tでしか使えないためであることをアナリストらが指摘すると、いつもは穏やかなCook氏が、より激しい調子でAppleのアプローチを擁護した。
「わたしが米国の(市場)シェアを気にしているか?もちろん気にしている。だが、サイクルというのは移り変わるものだと思っている。われわれがしているのは、世界で最も優れたコンピュータを作ることであって、最も多いコンピュータを作ることではない(中略)長期にわたってそうすれば、シェアを獲得することになるだろう」
Cook氏が、AppleはMacの市場シェアに関心がないと言い切ることはできない。1つ目の理由は、それが完全に真実ではないからで、2つ目の理由は、Cook氏のマーケティングチームが同氏に不満の叫びをあげるからだ。しかし、Appleはある程度、Macの市場シェアに無頓着である。Steve Jobs氏自身が1996年に言ったように、PC戦争は終結しており、ずいぶん前にMicrosoftが勝利したのだ。AppleがMacを、大衆市場向けパーソナルコンピュータではなく、「最も優れたパーソナルコンピュータ」と位置づけるようになって久しい。
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