ゲームオンデマンドの新興OnLive--ストリーミング配信でゲーム業界の頂点に挑む - (page 4)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年03月27日 07時45分

 OnLiveは当初から、Microsoft、ソニー、任天堂といったファーストパーティーパブリッシャーと提携していない。これは「Halo」や「ゼルダの伝説」のようなフランチャイズを利用できないということだ。こうした企業が、自社の長年のビジネスモデルを不要のものにし得るテクノロジを持つ企業と、契約を結ぼうとするとは考えにくいので、これは当然と言える。

 Perlman氏とMcGarvey氏は、このことで、OnLiveのサービスにサインアップするプレーヤーの多くは、自分のゲームコンソールをそのまま使い、そのコンソールに対応したゲームを買い続けるだろうことは認めている。両氏は、少なくとも現世代のマシンの残りの期間はそうなるだろうと述べる。しかし、次世代マシンが登場すれば、白紙状態に戻るとも述べている。

 McGarvey氏によれば、既に参加を表明しているサードパーティーのパブリッシャーは、現在9社になり、OnLiveがそれらのパブリッシャーに向けて提供する流通モデルは、標準的な小売体系よりもはるかに効率が良く利益の大きなものだという。その理由は、OnLiveのシステムがすべてデジタルであり、物理的な流通コストを削減できることと、パブリッシャーの存在を脅かす著作権侵害や中古品販売を一掃するように設計されているということだ。

 実際OnLiveは、既にこのパブリッシャー9社からタイトル提供の確約を取り付けているとMcGarvey氏は言う。これはつまり、2009年冬に予定しているOnLiveのローンチは、これまでに発表されてきた新しいゲーミングシステムの中で、最も多くのタイトルを伴う可能性がある、とPerlman氏は付け加えた。

 さらにMcGarvey氏は、OnLiveが提供できるような、プレーヤーのゲーム使用の生データを、パブリッシャーが切望していると述べる。そのゲームが好きか嫌いか、どのくらいゲームをプレイしているか、どのようにプレイしているか、といったデータだ。パブリッシャーにとってこうしたデータは、従来のコンソールでは収集するのが難しいとMcGarvey氏は主張する。

 明らかに、OnLiveは野心的な目標を掲げている。ゲーム業界に君臨するコンソールメーカーを追い落とそうというのだ。新しく、一般では利用できないテクノロジの常として、OnLiveやそのサービスがこの目標を達成することができるかどうか分かるまでには、まだかなり時間がかかる。だがOnLiveのデモが何らかの指標となるならば、OnLiveは間違いなく目の付け所が良い。さらにOnLiveは何年にもわたって水面下で事業を進めてきたため、コンソールメーカーは不意を突かれる可能性がある。

 OnLiveシステムは、「brag clips」と呼ばれるソーシャル機能を含み、ゲームのアクションを15秒間リプレイできる。 OnLiveシステムは、「brag clips」と呼ばれるソーシャル機能を含み、ゲームのアクションを15秒間リプレイできる。
提供:OnLive

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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