ほとんどの大規模な試みと同じく、Appleは2008年にいくつかの決定を下しており、Appleが自社のビジネスについて公に語ったとしたら、多少の後悔を認めたかもしれない(いつもどおりAppleの関係者はこの記事への参加依頼を断った)。
iPhoneが発展した1年でAppleが犯した最大の過ちは、開発者に秘密保持契約を強要するという決定だった。この契約はヒントや秘訣について仲間の開発者と話し合うことを禁止するもので、競合企業がiPhoneに関する情報を入手できるようになるかもしれないというやや見当違いな考えに基づいていた。
むしろこれは開発者をいら立たせただけだった。開発者は、特定の機能を実装しようとして時間を浪費していたが、単にディスカッションリストやTwitter投稿への電子メールによって、経験豊富な開発者からもっとシンプルな修正を得られていた可能性があった。この秘密保持契約に対する不快感をとりわけあらわにしたHockenberry氏は、2008年7月のApp Storeの立ち上げ後も秘密保持契約を継続するとしたAppleの決定を、2008年の「低い点」と呼んだ。
10月にはAppleはそのメッセージを受け止めるようになり、現在ではエバンジェリストによる講演や、iPhoneの所有者仲間が交流して製品の改善方法を共有できる開発者フォーラムを主催している。
そのほかにAppleが犯した大きな過ちは、App Storeの審査プロセスに割り当てたリソースだった。AppleはiPhoneアプリケーションのすべてを1つ1つ審査することにしたが、それが非常に大掛かりな仕事であることはすぐに明白になった。しかし、この市場の成長を正しく予測することは、誰にも(Appleにさえも)できなかったと言っていいだろう。
Appleと開発者にとって残念なことに、アプリケーション審査を処理し、開発について開発者にアドバイスするApple社内の担当者は、すぐにその成長に対応しきれなくなった。匿名希望の開発者によると、アプリケーションで得た売り上げの取り分を受け取るのが大幅に遅れたことさえあったという。この問題は緩和されつつあるようだが、Appleが自社の戦略の成功に対して適切に準備できていなかったことは驚きだ。
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