新しいGarageBandはちょっとびっくりする機能が搭載された。それは、楽器のレッスン機能だ。これまでGarageBandは、生の音源やループ音楽、Podcastを制作するソフトウェアとして存在していた。しかしこのレッスン機能の追加で、楽器を練習し、音楽を作るソフトへと進化したわけだ。
レッスンのラインアップは、基本レッスンとアーティストレッスンの2つに分かれる。基本レッスンは、ギターやピアノなどの基本的な演奏方法を学ぶことができ、9回のレッスンを経て1曲弾けるようになる。
またアーティストレッスンは、Sting、Norah Jones、Sara McLachlanなどのアーティストが出演している。自分の曲を、曲の背景などと共に教えてくれるのだ。英語版では9アーティストだが、現在日本語版では4アーティストのみで、1レッスンあたり480円。「レッスンストア」を通じてオンラインで購入する。
レッスンを起動すると、GarageBandは全画面表示のモードへと切り替わる。中央の画面にはレッスンの先生が登場し、すぐ下には鍵盤のアニメーションが現れる。
楽譜を表示することもできるし、演奏の楽曲はGarageBandのトラック操作のように、ボリュームを変えたりミュートをしたりすることも可能。そしてこの機能がすばらしいのだが、再生スピードをゆっくりにして練習できるのだ。
iPhotoやiMovieはデジタルカメラやビデオカメラがあればすぐに素材を用意して楽しめるものだが、GarageBandは楽器を演奏したり、曲が作れたりしなければ活用できない。だったらレッスンで楽器や音楽を学んでもらって、GarageBandを使う機会を増やしてあげよう、というアプローチだ。
GarageBandに限らず、Microsoft OfficeやAdobe Creative Suiteも含めて、ソフトウェアは導入するだけでなく、それを活用してビジネスに生かしたり、生産性を高めたり、クリエイティブ向けなら何よりも良い仕上がりの作品やアウトプットができなければ、そのソフトウェアの価値は感じるにくいものだ。
使いやすさや新機能だけでなく、ユーザー側の学び、学習もとても重要な要素になってくる。GarageBandはレッスンを展開することで、ユーザーの音楽への学びを喚起していると言える。今後新しいソフトウェアやツールにとって、このやり方は1つのお手本になると思う。
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