オンラインマーケティングにおける新たな指標「アシスト」 - (page 3)

執筆:尹永淑 アドバイザー:福島慎一 監修:海老根智仁(株式会社オプト)2008年12月22日 13時36分

 例えば、インターネット上のユーザーの動きは、バナー広告Aを見る→クリックする→離脱する→検索する→リスティング広告Bをクリックする→離脱する→再度検索するC→コンバージョンするというような複雑な導線になっています。

 これを効果測定システム上に反映すると以下のような数値となり、ユーザーが最後に接触した媒体が評価対象となります。

コンバージョン
広告A0
リスティング広告B0
リスティング広告C1

 我々、オプト・データ分析研究所では間接効果を「アシスト」という名称にて提唱しています。これはコンバージョン(ゴール)に対してパス(アシスト)を出しているということに由来します。

 上記の例にアシストという項目を追加すると、効果は以下のような数値で表現されます。

コンバージョンアシスト
広告A01
リスティング広告B01
リスティング広告C10

 コンバージョンに至らなかった広告が他のコンバージョンに影響している数をアシストと定義しています。従来、評価対象となるのはリスティング広告Cのみでしたが、アシスト値を含めると広告Aとリスティング広告Bにも新たな数値が出てきます。

 インターネット広告では今まで測り得なかった、「バナーを見たことによる効果(マス広告的要素)」を数値として表したことになります。このグラフの結果は「広告Aとリスティング広告Bはコンバージョンがありませんでしたが、リスティング広告Cにアシストをしました」ということになります。

 さらにこのアシスト値を分解してみると、以下のような見解もできます。たとえばこのように考えてみてはいかがでしょうか。

  • 広告A:受動的に広告を見たクリック
  • リスティング広告B:能動的なアクション(検索)後のクリック

 そもそもユーザーとの接触を作った広告Aがなければこのユーザーはコンバージョンに至らなかったかもしれません。また、リスティング広告Bが比較材料になり購入の決め手となったかもしれません。それぞれのマーケティング戦略によってアシスト値の評価軸を設定すべきだと思います。

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