インターネット上で見込み客情報(リード)を取得する、オンラインリードジェネレーションサービス(LGA)が近年注目を集めています。
インターネット広告調査団体の米国IABによると、LGAは2007年に検索連動型広告、ディスプレイ広告、クラシファイド広告に次ぐ第4位の売上となり、米国においてはすでにインターネットマーケティングを代表する広告モデルに成長してきています。
日本にもすでに数年前から上陸しており、日本市場でLGAを提供する企業(ベンダー)は複数存在しています。しかし日本国内では、米国のように大きな市場を獲得するには至っていないのが現状であり、今後の市場拡大に期待と注目が寄せられています。
そこで今回は、LGAが日本で定着するための課題と思われる、いくつかのポイントについて考察してみます。
日本市場への定着の課題を述べる前に、まずはLGAとは?から話を進めたいと思います。米国IABが発表するLGAの定義について、Webマーケティングガイド「米国で急成長する『Lead Generation 広告』とは」の記事内に詳しく記述されているのでご参考頂きたいのですが、その要約を述べれば、
Online Lead Generation広告とはインターネット上で個人情報の提供に同意した人の連絡先などを、その取得した実数に応じて広告主から広告会社に支払われる広告費用
ということになります。
つまり、リードジェネレーションのリードとはいわゆる見込み客情報のことで、見込み客を取得するための活動はすべてLGAと言うこともできるのですが、ここでの話題はあくまでもオンライン上での活動として話を進めたいと思います。
オンライン上でのリード取得について、日本でもお馴染みの仕組みとしては、“お試しサンプル”請求などの見込み客情報の登録数などに応じて費用が発生する「アフィリエイト広告」があります。
しかし、LGAは“自社サイト以外”から見込み客情報を取得することができるという点で異なっています。この点についてアフィリエイト広告と混同されないようにご注意ください。
では次に、米国では具体的にどのような方法を使用しているのかを見てみたいと思います。
米国の場合は、一般的には代表的なポータルサイトや、Weather.com(天気情報)、About.com(情報提供)、CoolSavings.com(クーポンサイト)などといったPV数、UU数が多い人気サイト内にLGAベンダーが広告を表示し、広告をクリックしたユーザーに対してスポンサー情報を掲示し、さらに興味のあったユーザーから任意で氏名、住所、性別、年齢、メールアドレス、その他を収集するという方式が一般的です。
取得された1リードの適正度や得られたデータ内容によって、1リードにつき40セント〜1ドルの範囲で値段が取引されています。
米国のマーケターたちはLGAを高く評価しており、Masterfoodが1歳未満の子犬用の新しいPedigreeブランドのドックフードの発売告知を実施する際に、6カ月間で100万件もの子犬を飼っているターゲット情報を取得できたなどの好事例も紹介されています。
さて日本では、LGAは根付くのか、またそのための課題とは何か、について考察していきたいと思います。
今後、同様の方式での広告メニューが日本でも登場してくることは間違いないと思われますが、本当の意味で良質なユーザーのリードが確保できるのか、という点については、多いに疑問が残ります。
というのも、米国でも取得されたリードの多くが不良であったケースが報告されており、一部のマーケティングコンサルタントからLGAを実施するクライアントに対し、
という点を確認してからLGAベンダーに支払いをするように、と警告がなされているという例もあります。
米国では急激に市場が拡大しているLGAではありますが、現実的には、リードデータの質に問題が出てきているのも事実のようです。
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