国内最大のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」が利用制限を緩和することを発表した。12月10日から15歳から17歳のユーザーも利用できるようにし、2009年春には登録制に移行する。
またmixiのサービスを外部パートナーと共同で構築する仕組み「mixi Platform」の開放も推し進め、すでに開始している認証サービス「mixi OpenID」に続く、第2弾の「mixi アプリ」、第3弾の「mixi Connect」の構想を発表した。
これまでmixiはユーザーを18歳以上に制限し、知り合いからの招待状がない限り新規登録ができなかった。今回、年齢制限の引き下げ、招待制から登録制への移行を決断した背景には何があったのか。そしてmixi Platformの開放によってmixiに何が起きるのか。ミクシィ 代表取締役社長の笠原健治氏、mixi事業本部長の原田明典氏に聞いた。
笠原:招待制を採用していた一番大きな理由は、その方が誰か知っている人を起点にmixiを始めることができるので、友人、知人とつながっていけるし、使い方もすぐわかるようになるからです。
しかしいまは、誰にも誘われずmixiに入っていっても、リアルな友人、知人とつながれる環境が整ってきています。また今後提供する機能でもその部分を担保していけると考えています。
原田:ひとつは検索による支援ですね。詳細はお話しできないのですが、いまの友人検索とは違った、リアルの友人を探しやすくするような仕掛けをいくつか用意しています。
これによってあたかも誰かに招待されたかのような形で知り合いとつながれるようになります。現在も知り合いである可能性の高い人を表示する「あなたの友人かも?」機能を提供していますが、あれをさらに強化したものを考えています。
このような施策をもっと早いタイミングで打ち出していたとしたらどうなっていたか。たとえばユーザーが100万人の段階でやっても、1億人以上はmixiを使っていない状態ですので、いくら機能を強化してもおそらくほとんど知り合いとは出会えなかったでしょう。
現在は1500万ユーザーまで増えていますので、このタイミングでそういった機能を追加することで、1人か2人はつながれるようになるのではないかと思います。このタイミングまで我慢していたというか、準備してきました。
また逆の理由もあります。招待制でずっと広がっていくところに限界といいますか、ある種ブーム的なものがありますので、そこに風穴をあけるという意味も登録制にはあります。
笠原:そうですね。招待には波があるというか、ある特定のコミュニティに一時的に招待の波が流れて、それが一旦終わってしまうと、逆流することはあまりないと思います。
そのときにたまたまmixiに入れなかった人は、結局入りたくても入れないまま、かつそこで一度入ってしまった人は自分も含め周りの人がみんなmixiに入っていると思っていたり、あるいは誰が入っていて、誰が入っていないかがわからなかったりするので、あえて誘うこともない。そこのミスマッチはあると思います。
あとはどうしてもmixiとなかなかつながらないコミュニティもあると思っています。たとえば地方在住の方、あるいは35歳以上の方の中にはまだまだmixiを使っていない人が多いです。mixiのことは知っていて自分も使いたいけど、周りにユーザーがいないため使えない。そういう方はいまだに結構いるんですね。
招待制を5年ほど続けてきて、ユーザーの間で一通り招待が行き届いた感もあるので、今度は、まだmixiを使っていない人とのミスマッチを埋めたいと思っています。
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