私の周りではすでに少なからずの利用者がおり(基準は閑散としているかどうかから判断)、それなりに利用されているようである。このエコーはmixiの「日記」と用途は異なるのだろうか。現状、利用者は日記とエコーは併用しているようだ。「簡単な文章や突発的な思いや感想はエコーで」「長文は日記で」という使い分けだ。心なしか、エコーでコミュニケーションが促進されmixiへの利用度が高まっている人もいるようだ(短期的な動きかもしれないが)。
さて、このエコーをTwitterと比べてみたい。機能面としては、エコーにある「友達へのリンク付き返信機能」は、Twitterの機能に近い。またエコーの制限文字数は150文字で、Twitterの140文字とは少し異なる。この2つが大きくことなるのはAPIだろう。Twitterの魅力はAPIであり、第三者が作ったTwitterのアプリケーションの豊富さがTwitterの魅力の1つである。その点においてエコーは現状、その強みを持っていない。ただし、今後の展開では対応する可能性は否定できない。また、エコーの強みとしては、すでにユーザーが使っているインフラ上で利用できるという利便性や日本人にフォーカスしたサービスという点があげられる。
Facebookでも、このようなミニブログ風のシステムは提供されている。ステータスという機能を使えば、今の心境やしていることを投稿できる。また、各種のメッセージに対してもコメントできる。このようにSNSがミニブログのシステムを導入する狙いとしては、1つはコミュニケーションの促進があげられる。インタラクティブなコミュニケーションを生みやすいため、ユーザーのPVやアクセス頻度を上げることができるだろう。
またmixiなど日記システムを導入しているSNSとしては、サービスの「守り」としての導入が考えられる。Twitterを積極的に利用するブロガーは、ブログの更新頻度が下がったという話があった。情報発信に重点を置く人々にとってその媒体がミニブログだろうとブログだろうと同じだと考えれば、Twitterで満足する人はブログの更新も当然下がる(一概に言えないとしても傾向はある)。そこで、mixiなどは、ミニブログを自メディア内に持つことにとって、そのようなミニブログを利用するユーザーの流出を防ぐことができる。
また、「密度の薄い」日記を減らす効用もあるかもしれない。日記では、たまに一行程度の密度の低い書き込みが行われることがあり、場合によっては何度もそのような日記が更新され日記更新リストを埋める場合もある。そのため、一部のユーザーにとってそのような日記は好ましくない場合がある。しかし、このエコーが登場すれば、そのような密度の薄い日記はエコー化され、結果的に相互補完となる可能性もある。
エコーに懸念点を提示するとするならば、トラフィックの問題が考えられる。Twitterがよくダウンしていることからわかるようにミニブログは仕様によっては負荷が大きい。すでにmixiはノウハウはあるだろうが、それでも1500万人を超えるユーザーが使い始めると今まで以上の大きな負荷となる可能性もあるだろう。その時のmixiの手腕に期待したい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス