The Wall Street Journal(WSJ)が伝えたところによれば、億万長者投資家のCarl Icahn氏は、同氏が指名する新たな取締会役員候補が、米Yahooの取締役会の権限を掌握するならば、とりわけYahoo最高経営責任者(CEO)のJerry Yang氏を追い出す計画であることを明らかにしたという。
これまでもIcahn氏は、次の年次株主総会にて、1年の任期で再選が予定されるYahooの現取締会役員を構成する9名全員の交代を要求するコメントを出しており、その現取締会役員の中に、Yang氏が含まれてはいた。
明らかにIcahn氏は、米国時間6月2日に新たに公開された、株主訴訟に関する詳細情報に激怒していると、WSJは伝えた。デトロイトの2つの年金基金が改めて起こした訴訟(PDFファイル)では、Yang氏が、Yahooの経営権に変化が生じるならば発動する、論争の的ともなってきた人員整理計画の立案者として糾弾されている。
この経営権の変化には、単にMicrosoftが1株当たり33ドルの提示額でYahooの買収を試みたものの、5月3日に撤回したような買収に絡む変化のみならず、Yahooの取締会役員の過半数が交代するといった変化にも当てはまることを、CNET News.comのブログは明らかにした。
Icahn氏は、WSJのインタビューに対して「なぜMicrosoftが買収から遠ざかったのかは、もはや謎でもなんでもない。Yahooは交渉による企業売却を望んでいると言い続けておきながら、一体どうして、同時に秘かに(買収に至る)プロセスを完全に妨害しようとすることなどできるのであろうか」と語った。
今回明らかになった株主訴訟に関する情報は、Yang氏と他のYahooの現取締会役員が退かない限りは、Microsoftは再びYahooの買収交渉を開始しないのではないかとの、投資家が抱いている懸念が確かなものであることを示し、Yahooの取締会役員交代を目指して進める委任状争奪戦での勝利にも、有利に働くものとなると確信していると、Icahn氏は述べた。
WSJは、Yahooが3日に取締役会を開く予定であるとも報じている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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