「いつでも、できればオープン規格によって、データにアクセスできるようになることはオープンなデータポータビリティの理想に近づく好ましい動きである」とDataPortability Workgroup(複数のソーシャルサイト間でIDを相互に変換することを共通の目標として取り組んでいる技術者のコンソーシアム)を率いる起業家のChris Saad氏は述べる。「現在、実際に行われていることは、相互運用が可能な適切なデータポータビリティに向かって2、3歩の前進であることは確かだが、われわれ全員がベンダーやコミュニティーの他のメンバーと緊密に協力して、それらが正しい方向に進むように引き続き注意していく必要がある」(Saad氏)
Saad氏はFacebook、Google、MySpaceによる発表を「あくまで社内的なブランドであり、技術的にはデータポータビリティごっこのほんの始まりにすぎない」と特徴づけた。3社ともDataPortability Workgroupに代表者を出しているが、この週の発表はいずれもこのグループと共同でなされたものではなかった。
「わたしは彼らの仕事が完了したとは思わないし、それが絶対に必要だとも思わない」とSaad氏は述べる。「われわれはこれらのプロジェクトが、市場を分断しようとしたものではなくて、本当に(データポータビリティの)ベストプラクティスに向かって進んでいることを注意深く確認していく必要がある」(Saad氏)
心にとめておくべきことは、実際にウェブのユーザーがこれら3社のプロジェクトの動作を確認するまでにはまだ変更と進化のための時間があるということだ。FacebookはいまのところFacebook Connectについて既存のAPIを発展させたものだと述べるにとどまっており、その技術的な内容を発表する段階にはない。MySpaceのData Availabilityは、ほんの数社の導入パートナーとともにゆっくりと展開されているようだ。Googleのエンジニアリング担当ディレクターのDavid Glazer氏は、Friend Connectの一般公開まで「数カ月」かかるだろうと述べている。
一方、多くの憶測や「塀で囲い込まれた庭」に対する批判が出てくるだろうし、少なくともデータポータビリティは軌道に乗る前に暗礁に乗り上げてしまったという1つの主張が出てくると思っておいた方がいい。これは技術系ブログなので、いろいろ批判が出るのも当然だろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境