UPDATE 予測されていた通りに、Googleは、プログラミングを行うことなくソーシャル機能をウェブサイトに追加できる「Friend Connect」のプレビュー版を公開した。
GoogleのエンジニアリングディレクターであるDavid Glazer氏は、Friend Connectの詳細について明らかにした。なお、米国時間5月12日午前の時点では、依然として仕上げの段階にあるFriend Connectの公式サイトに、まだアクセスすることはできなかった。
「よりソーシャルな存在になることで、ウェブは向上してきている。われわれは、ウェブインフラにソーシャル機能を組み込むが、これは少数の特定サイトに縛られるようなものではない。ユーザーは、ウェブ上のどこに行っても、あらゆる友人とのコミュニケーションが可能で、(そのコミュニケーションに)どのようなアプリケーションでも用いることができる」と、Glazer氏は述べた。
筆者は、Friend Connectについて、「Facebook Connect」や、MySpace.comの「Data Availability」への対抗手段として出されたものなのか、Glazer氏に尋ねてみた。「ほとんどの人が、そのように推測するのも無理はないだろう。しかしながら、FacebookやMySpaceが発表を行ってから、わずか3日でコードを作り上げるというようなことはしていない」と、Glazer氏は答えている。
FacebookやMySpaceとは異なり、Googleは、集中型のソーシャルネットワーキングハブで、優位性を欠いている。Friend Connectは、オープンで分散型のアプローチを採用することにより、インターネットの末端で稼動するものであり、ソーシャル機能に対応していない99%以上のサイトに、ソーシャルな側面をもたらせるようになる。
「分散型モデルは、これまでよくウェブで機能してきた。柔軟でソフトにつながりつつ、広く分散している多くのポイントが、ユーザーを情報ページと結びつけるという、まさにこれこそがウェブの真髄である。いまやウェブは、人と人とを結ぶために機能するようになってきている」と、Glazer氏は筆者に語った。
Friend Connectに対応したサイトでは、Facebook、Google Talk、Hi5、Orkut、Plaxoといった、すでに確立されたソーシャルネットワーキングサイト(SNS)上の既存の友人や新たな友人のプロフィール閲覧、招待、コミュニケーションなどを、安全な認証アプリケーションプログラミングインターフェースを用いて進めることができる。
現在は、GoogleのGuacamoleサイトなど、ほんのわずかなサンプルサイトのみが、エンドユーザー向けに提供されている。「どのような種類のサイトやアプリケーションが好まれるのか、ウェブサイト運営者からのフィードバックを受け付けるのを楽しみにしている」と、Glazer氏は述べた。インディーズミュージシャンのIngrid Michaelson氏は、iLikeの「OpenSocial」アプリケーションに、Friend Connectを組み込み、サイトを離れなくても友人とつながることを可能にした。
Plaxoのマーケティング担当バイスプレジデントJohn McCrea氏は、GoogleのFriend Connectが、Facebookのように、いわば壁で囲まれた庭のような存在から、よりオープンでソーシャルなウェブへと「モデルを大きく変動させている」ことに関して、次のように語っている。
アプリケーションをウィジェット化して、特定の会社のプロプライエタリなソーシャルグラフ内に限定してしまうのではなく、ソーシャルグラフそのものをウィジェット化し、どのウェブサイト、ウェブページであれ、ソーシャル対応にしていこうとしないのは一体なぜなのだろうか?
これこそ、Plaxoが100%賛同する、ビッグで大胆な展望である。FacebookとMySpaceに関しては、現在進もうとしているレトリックを解析するに、これも確かにすばらしいことだ。データポータビリティのミーム、オープンでソーシャルなウェブ、ソーシャルウェブユーザーの有する権利の声明といった流れが、まさに全盛期を迎えるようになってきたといえよう!
だが、まだ詳細は謎に包まれており、例えば、Facebookに関しても、ブログの投稿で、9日に大まかな意向を明らかにしたに過ぎず、詳細なところまでは何も知らされていない。それはすばらしい展望かもしれず、そう望みたいのはやまやまだが、しかしながら、まだ実体はどのようなものになるのか、あまり定かではないのだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」