はい、今の時点では、日本市場に対しては焦点を絞り込んで、「Roomba」を推していきたいと思っています。そしてもっと「Roomba」を使っていただく方が増えると思っています。そういう方々からフィードバックをもらっていきたいと考えています。
今までは、掃除ロボットとそれ以外も含めて、さまざまな“仕事をするロボット”を作ってきたわけです。たとえば、掃除で象徴的ですが、家のお世話をするロボットですね。次は、家の中に住む人間のお世話をするという方向に向かうことになるのが、当然だろうと思っています。
「ConnectR」はまさにそういった方向性の第一歩ですね。家の外にいながらにして、家の中で起こっていることを知り、自分がつながっているという状態に保つわけです。
未来には、さまざまなロボットの応用が考えられますが、やはり現時点では、先ほども言ったように、250万台以上売れているとはいえ、まだそれだけです。米国だけでいっても、世帯数の1~2%にしか普及していない。
こうしたロボットにおいては、250万台という数自体、かつてない数ですが、もっと多くの人々が使ってくれる余地は十分にある。そこで、われわれはもう少しこの分野に集中して普及率を高めていきたいのです。それをやりながら、さらに多くの応用を追求していきたいと思っています。
将来は、人間が重たい掃除機をぶら下げて歩きながら掃除するということ自体が、ほとんどなくなるでしょう。ロボットに代わってやってもらうということが当たり前になるわけです。今で言うと、洗濯機を使わずに手で洗濯をすることはほとんどなくなりましたよね。食器洗浄機があれば、皿の手洗いもしなくてすみます。掃除もそこまで浸透させていきたいと思っています。
「Roomba」には、他の掃除機だとできないことができるわけです。人間でもできないことです。我々は、狭いベッドの下に入り込んで、掃除をすることはできません。その意味では、すでに人間の代わりというよりも、人間よりも上手にできるわけです。
ただ単に、人間ができることを代わってやってもらうだけではなくて、人間ができないことを効率的に確実にやれる、確実にやる技術を持っているというのが「Roomba」の強みなんです。そのことによって得た時間的な余裕を、子供と過ごす時間だったり、趣味だったり、本を読んだり、ペットと過ごしたり、その人が本来もっとやりたかったことに回せるようになるのです。
「Roomba」が、人間の身体ほど大きくなくて小さいサイズであることには、3つのメリットがあります。1つは、機動性ですね。椅子の間や何かの下とか、非常に機動的に自分で道を選んで進んでいくことができます。
2つめが、置き場所が狭くて済むことです。最初の頃、デモンストレーションをしたり、グループインタビューで話を聞いたりしたときに、ある女性は人間みたいな格好のロボットが掃除機を押すというイメージを持っていたようです。「そんな大きな物を置く場所はない」と。そうではなくて、掃除ロボット自体が動くのですよ、と(笑)。
コンパクトで邪魔にならないということは、買う人間にとって大きな動機となるようです。最後に、小型であるということは、圧倒的に安全だということです。これが大きくて重たかったり、形がゴツゴツしていたりすると、子猫にあたって子猫をつぶしてしまったり、家具にぶつかって傷を付けたりする可能性がありますが、そうしたことがありません。
また、「Roomba」には、3種類のゴミ処理機能があります。隅のゴミを掻き出す部分、紙くずなどの大きめのゴミをかき取る部分、床の表面に密着して非常に細かいホコリを強力に吸引する部分、かき取る、取り込む、吸い込むという3つの機能で効率的な掃除ができます。また、ゴミセンサーを搭載していますから、ゴミが多い場所は素通りせずに、その場所にこだわって重点的に掃除を行います。工学の粋を集めて、こんな小さなものですけれども、複数の優秀な仕事をするといえると思います。
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