お掃除ロボット「Roomba」を製造するiRobotが、株式公開(IPO)の申請書類を提出したが、このなかで同社は、ロボット市場への期待とリスクを明確に示している。
iRobot(本社:マサチューセッツ州バーリントン)は、人型ロボットではなく、同社がいうところの「きつい、汚い、危険」の3K仕事をするための実用ロボットを設計/販売している。同社はRoombaというお掃除ロボットのほか、米軍がイラクやアフガニスタンに配備している自律走行ロボット「PackBot」も手がけている。iRobotの売上をロボット市場の可能性を示すものと見る向きもある。
同社はIPOで最大1億1500万ドルの資金を集めたいと考えて、Nasdaqに「IRBT」という証券コードで上場するという。
米証券取引所委員会(SEC)に提出された申請書類によると、同社の売上高は過去数年で急速に拡大しており、2002年に1480万ドルだった売上が、2003年には5430万ドルに、そして2004年には9500万ドルに増加したという。
また、損益も2003年には740万ドルの赤字だったものが、2004年には21万9000ドルの黒字となっている。
今年上半期の売上高は4300万ドルに達し、2004年上期の売上高2860万ドルよりも50.3%増えている。しかし研究費などの要因で今年上期の損益は再び悪化し、710万ドルの赤字となった。
同社は、消費者市場におけるムードの揺れの影響を非常に受けやすい。2004年には、iRobotの売上高の73%は消費者市場での売り上げによるものだった。これに対し、今年上期の消費者市場での販売の伸び率は、昨年同期よりもわずかながら低い。(iRobotにとっては有利な会計手法の変更を織り込み後の数字)
「2005年第4四半期と2006年の業績は、床のモップ掛けまでこなす掃除ロボット「Scooba」の成功にかかっている部分があるが、Scoobaの発売に遅れが生じないという保証もなければ、同商品が市場に受け入れられるという保証もない」と同社のIPO申請には書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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