家の掃除から戦闘中の兵士を守ることまで、日常的な仕事においても高度に困難な課題に対してもロボットは頼れる道具になりつつある。
ロボットに対しては、これまで常に受容と恐れの間で文化的な綱引きが存在してきた。iRobotの製品ラインアップを見れば、その衝突は一目瞭然だ。
それはまるでiRobotが2つの異なる企業であるかのようだ。一方には、親しみやすいRoombaのような掃除用ロボットがあり、TargetやAmazon.comのような店舗で買うことができる。もう一方では、iRobotは軍事調達の契約先であり、狙撃手や武器、化学物質を発見するロボットだけでなく、武器を搭載することができるロボットも供給している。
同社は、イノベーターとしての役割と、利潤を生む役割との間でも引き裂かれている。消費者はiRobotの芝刈りロボットを望む一方で、株主は成長の鈍化と純損失の増加に直面し、より多くの利益を求めている。
8月下旬、同社はRoombaの改良版を発表した。マサチューセッツ州バーリントンのにある同社の本社でCNET News.comのインタビューに答えたiRobotの最高経営責任者(CEO)Colin Angle氏は、ロボットは今後どこへ向かうのか、その中でiRobotがどこに位置するのかについて語った。
現在のRoombaは倒れてしまうことがあり、もっと耐久力を増し、長持ちするようにしたいと考えたからです。使い勝手を向上させ、Roombaを使った掃除が一週間に一度することから日課へと変わるにつれて、製品の耐久力を上げてそうした使われ方に耐えるものにするだけでも大きな挑戦になったのです。
毎日使った場合、3年から5年もつように設計されていると思います。ですから、耐久力は相当あります。
ロボット産業はまだ初期の段階にあります。ロボットの適用分野は、何千とまでは言わなくても、何百もあります。17年から18年の歴史の中で、われわれはロボットが新しい価値を生み出すさまざまなチャンスを探ってきましたが、現在はいくつかの特定領域に注力しています。それが家事を助けることと、非常に危険な場所で兵士がより多くの目や耳を備えられるようにすることです。
清掃産業や石油産出、探査の最適化、採掘、造園などはすべて素晴らしい応用分野であり、われわれが興味を持っている分野です。他の企業もこうした領域で事業機会を模索していることは承知していますし、5年から10年後には、これらの分野の機器の多くは実現されている可能性が高いでしょう。
仮にわれわれでなくとも、誰かがやっているでしょう。われわれがそれらの新たな応用分野に毎年投資できる金額は限られており、対外的には、ロボットが素晴らしいもので新しいチャンスに溢れているということだけでなく、これがよいビジネスであるということも示さなくてはなりません。われわれは、投資家とウォール街に対して、成長に集中し、収益指標を改善することを約束しています。また、開発活動も、技術の視点に立った開発者としてだけでなく、この市場のビジネスリーダー、業界のリーダーとして推進していかなければなりません。なぜなら、結局はそれが投資促進と注目の増大、ひいては市場の成長に繋がるからです。もし他の企業が(何かを)解明して優れた事業を運営していれば、買収してiRobotの一部にするということもあり得るかも知れません。
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