ロボットとヒトの関係と未来--iRobot社会長ヘレン・グレイナー氏が語る - (page 4)

--今後、取り組みたい分野や、将来の夢についてお聞かせください。

 将来のことはいろいろありますが、やはりまだまだ日本での「Roomba」の普及率は低いので、もっと普及させていきたいですね。「Roomba」は人の役に立つということを私たちは確信しているのです。

 これは、ビジネス的な面だけで言いたいのではありません。非常に多忙な働く女性や、何らかの障害で普通の掃除機が重たくてうまく操作できない人など、そういう人に分かっていただき、確実に仕事をしてくれるということを納得してくれたら、もっと普及すると思うんです。そのことによって助けられる人間がまだまだいるので、まずはこの優秀な製品の普及率を高めていきたいと、日本市場については思っています。

掃除が完了する、もしくは電池がなくなると自分で戻って充電する 掃除が完了する、もしくは電池がなくなると自分で戻って充電する

 あまり話せませんが、新製品の研究は継続しています。日本では、「Roomba」だけですが、米国ではプール掃除ロボットや雨樋掃除ロボット、床磨きロボットなど、生活関連のさまざまなロボットを販売しています。さらに、そういった家の世話をするロボットすべてを遠隔コントロールできる、「ConnectR」があります。それによって、不在時にも、ロボットの起動や停止、確認などを行うことができます。

 これらが、本当に必要とする人のところに届くようにしたいと考えています。家の掃除を人間がやるよりロボットがやるほうがよりベターだと、あるいは助かると。その次のステップは、この家の中に住んでいる人間そのもののお世話をするということになると思います。ただ、一番重要なのは価格帯ですよね。いくらで買えるのかというのは重要ですので、そこは注意深くやっていきたいと思っています。

--価格という点では、日本では米国に比べて価格差を感じます。日本では7万円台後半、米国では299.99ドルとか399.99ドルで売られていますよね。

 日本はやはりサービスやサポートが、米国やそのほかの国に比べて非常に重要視されている市場です。これは、大変重要な要素だと思います。たとえば、セールスオンデマンド社が日本市場で行っているユーザー登録をしてくださったお客様に対する購入10ヵ月後の無料メンテナンスサービスやフィルターのプレゼントなどですね、こういうのが大きな魅力につながっていると思います。

--日本では、趣味として二足歩行ロボットを作ってバトル大会やサッカー大会などに参加している人がいます。米国でもそういうことをされている方はいらっしゃいますか?

 確かに、ロボットショーなどで日本のロボットが紹介されて、そうしたものを好きな人が始めたということはあります。やはり、起源は日本で、それがグローバル経済の中で波及してきたということです。実際に「Roomba」をハッキングしている人もいます。たとえば、「Roomba」に相撲をとらせたり、ビリヤードをさせるなど、そういうことに使われるのも、これはもう止めようがないというか。ただ、我々のお客様の99.9999%は、掃除のために「Roomba」を購入していて、バトルなどのために買っているわけではありません。

--「Roomba」を改造して、楽しんでいる人たちがいるという話は聞いたことがあります。移動ロボットのベースとしてよくできてますし。

 インターフェースをオープンにする前から、そういう人はいました。

--今はオープンになっているんですね。

 はい、オープンにしています。

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