「ナゾトキ」に学ぶ検索窓付き広告の成功法(前半) - (page 2)

アウンコンサルティング2008年01月16日 09時00分

キーワード

 検索窓付きの広告を見ていると、もっとも多く見かけるのが社名や商品名などのキーワードです。個人的にはこれはこれで1つの形としては有効だと思っています。

 ただし、これは知名度のある企業や商品であり、15秒の映像や1枚の紙などでは、宣伝したい商材の魅力やスペックを伝えきれない時に限って有効なキーワードです。自動車メーカーなどがよく車種名などで検索窓付きの広告を行なっていますが、こうしたケースに限られます。

 例えば、自動車の広告を見ただけで、すぐにその商品を買う決断を下す人はいないはずです。その時に、広告を見て商品に興味を抱いた人の一部は、より詳細な情報を知るためにウェブサイトを見てみたいと思うはずです。

 そうした消費者に対して、そのまま商品名で検索してもらえれば、ウェブサイトをご覧いただけますと伝えるのは、ユーザーにとっても決して悪いことではありません。昔だったら、こうした消費者に対しては、ウェブサイトへ来てもらうためにURLを表示していましたが、これでは覚えられないので、より覚え易い社名や商品名などのキーワードを露出して、検索を促しているわけです。

 通常、社名や商品名で検索すれば、企業や商品のトップページが検索結果に表示されるはずですから、ユーザーの検索意図を考えれば、これは間違ったことではありません。

 それに対して、もし商材が仮に普段何気なく買っているような商品、それこそコンビニエンスストアで手に入るような商品の場合だったらどうでしょう。広告を見たあと、購入の判断をするためにウェブで詳細な情報を調べたいという人はさほど多くはいないでしょう。

 ですから、こうした商品の場合は、社名や商品名などのキーワードを露出させても意味がありません。それよりも、まずはウェブでキャンペーンサイトを立ち上げてブランドへの愛着を増幅させるようなコンテンツを作成し、広告とウェブサイトのブリッジとなるような特徴的なキーワードを考えた方がいいでしょう。

 それでは、「レイトン教授と不思議な町」の場合ではどうでしょうか。ゲームという商材は、15秒の映像や1枚の紙などでは、商品のすべてを伝えるのは難しい商材です。では、素直に社名や商品名をキーワードにすべきかと言えば、そうとは言えません。

 なぜなら、ゲームファンの方ならいざ知らず、一般における「レベルファイブ」という社名の認知度は決して高くないはずです。こうした場合はまず広告を見た人に社名を覚えてもらわなければいけません。ここは感覚的な問題になりますが、「レベルファイブ」という社名は、筆者は決して覚え易い名前だとは思いません。

 それに、「レベルファイブ」という社名を覚えてもらうことが、ゲーム会社に大きなメリットをもたらすかも疑問です。多くの人はゲームを買うときに、制作会社や販売元がどこかという点は、ほとんど意識されないでしょう。きっと動作するゲーム機を持っているかどうかであったり、ソフトの内容に目がいくはずです。ですから、社名を覚えてもらうことで将来的に大きなメリットがあるとは考えられません。そのため、社名という選択肢はなくなります。

 では、商品名の場合はどうかというと、通常のゲームソフトならば決して悪くない考えかもしれませんが、この場合は「レイトン教授と不思議な町」という少々長めのタイトルが付けられています。

 そこで、前回「検索窓付き広告を成功させる3つのポイント」でご説明したように、キーワードの独自性・関連性・覚え易さ・入力し易さという4つの指標を当てはめて考える必要があるでしょう。

 「レイトン教授と不思議な町」をキーワードとした場合は、独自性・関連性はありますが、覚え易さ・入力し易さという点で問題があります。

 では、実際にキーワードとなった「ナゾトキ」ではどうでしょう。キーワードの独自性・関連性・覚え易さ・入力し易さという4つの指標すべてをクリアしている点がお分かりいただけるでしょうか。特に、商品内容とキーワードが密接に関係しているので、キーワードから商品内容がわかり易く、逆に商品内容からキーワードも想起し易くなっています。

 このように、キーワードについては業界や商材によって最適なものは異なりますが、重要な点は消費者がもし検索するとしたら、どういう意図で検索することが考えられるかをイメージして発想することです。

 さて、次は検索エンジン対策について説明させていただきたいのですが、ここまでの説明で思いのほか文字数を費やしてしまいました。今回の説明はここまでとさせていただき、またこれ以降の説明を改めて次回させていただきます。

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