中でも、同社がもっとも重要視する「キーフィーリング(打鍵感覚)」をよくするための工夫は数多い。
ThinkPadでは、「キーフィーリング特性」を下の図のようなグラフで表しており、縦軸が力、横軸が移動量。ThinkPadの場合キーストロークは2.5mmだ。
図の青い曲線がThinkPadのキーフィーリング特性で、「キーキャップ」を押し下げてから完全に押し下がるまでの負荷のかかりかたを表している。最初はキーをある程度押してもあまり動かず、「PF(ピークフォース)」と「BF(ボトムフォース)」の間が逆にマイナス方向に下がっているが、この部分は押す力が減っても押し下がることを意味している。
同氏によると、「このピークフォースとボトムフォースの位置を変えることで、キーフィーリング特性は変わってくる」という。このキーフィーリングは、ラバードームの形状で調整できるという。
このほかにも、押し下げる力に比例して降下するかどうか、指に疲労感を与えない、ほどのよいクリック感をもたらす負性特性があるかどうか、指にやさしいキー押し下時のソフトな着地が実現できているかなどのチェックポイントがある。
さらに、スムースな立ち上がり特性も重要だ。「タイピングをしている時間の半分は、キーが戻っている時間。戻りが悪いキーボードは“切れすぎるキーボード”と呼ぶが、この戻りもしっかり設計しないと、長時間のタイピングには向かない」のだという。
ちなみに、各キーの負荷は60g程度(ボリュームスイッチで80g程度)なので、「小指で押す場所だからといって負荷は変えていない」とのこと。数字とアルファベットのキーキャップのサイズは同じ(トラックポイントまわりは除く)で、「いいものを安く作るには、部材の共有等を考えるとそれぞれ違う作りにすることは考えてはいないが、個人用にチューニングすればもちろん変わるだろうし、今後の研究材料としたいと思う」と語っていた。
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