Dellは米国時間5月31日、2008年会計年度第1四半期の暫定決算を発表した。サーバ部門には明るい兆しが見えるが、今後12カ月で従業員の10%を削減する計画も明らかになった。
同四半期における純利益は合計で7億5900万ドル(1株当たり34セント)となり、前年同期の7億6200万ドル(同33セント)に比べてやや落ち込んだ。それでも、1株当たり26セントというウォール街の予測を上回る数字だ。
粗利益は前年同期の24億ドルから28億ドルに増加したが、営業利益は9億4900万ドルから9億4700万ドルへと若干減少した。これは、平均販売価格が上昇し、製品とサービスの構成バランスが好転したためだと、Dellは説明している。
現在、全世界で8万8000人の従業員を抱えるDellだが、コスト削減のためにそのうちの約8800人を今後1年間で解雇する計画だ。Dellの広報担当者David Frank氏によると、削減の対象となる人員は地域、部門、職務によって異なるという。
明るさが見えたのはサーバ部門で、前年同期比19%増はすべての事業部でトップだった。ノートPC部門の売り上げは前年同期比7%増、デスクトップ部門は同6%減だった。
Dellは、2006年にHewlett-Packard(HP)に譲った「世界最大のPCメーカー」の地位の奪還を狙っている。経営体制の本格的な見直しも行われ、たとえば、最高経営責任者(CEO)の職にはKevin Rolling氏に代わり創設者のMichael Dell氏が復帰している。
Dellはまた、伝統的にこだわってきた直販モデルにも、HPなど他社との競争で優位に立つべく、若干の変更を加える予定だ。同社は5月24日、デスクトップの2モデルを6月10日からWal-Martの店舗で販売開始すると発表した。
さらに、Dellは現在、不正会計問題で米証券取引委員会から調査を受けている。同社は暫定決算発表の中で、連邦当局による調査の関連費用として4600万ドルを計上したと述べた。調査は現在も継続しているため、Dellは過去3四半期にわたって、暫定決算しか発表できていない。以前までアナリストとメディアを対象に実施していた決算に関する電話会見も、同じ理由から取りやめている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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