[13時23分更新] Dellは米国時間1月31日、Kevin Rollins氏が最高経営責任者(CEO)の職を辞任したことを発表した。Dellの創業者であるMichael Dell氏が再びCEO職に復帰する。
Dellの広報担当Bob Pearson氏は「これは短期的な視野に立って決定した人事ではない」と述べる。Dell氏はただちにCEOの業務を開始し、会長職も兼任する予定だ。
Rollins氏はただちに取締役からも退任する。DellはRollins氏の退任とともに、第4四半期の売り上げと1株あたり利益がアナリストの予測を下回る見通しであることを明らかにした。
Rollins氏の辞任は、Dellがここ1年間の不振にあえぐ中で発表された。DellはPC市場におけるシェアをHewlett-Packard(HP)に奪われ、世界最大手の座を明け渡している。また過去の会計報告内容については証券取引委員会(SEC)による調査が始まっている。1月末に退任した最高財務責任者(CFO)のJim Schneider氏をはじめ、ここ数カ月の間に複数の幹部が同社を去っている。
Dell氏はプレスリリースで「Kevinはすばらしいビジネスパートナーであり、友人であった」と述べる。「Kevinはここ10年間、われわれのビジネスに大きく貢献した。これからのいっそうの健闘を祈っている」(Dell氏)
Pearson氏はRollins氏の辞任が、過去の会計報告に関する調査と関わりがあるのか否かについて、コメントを控えている。Dellでは現在、SECによる調査が行われており、会計年度2006年以前の業績を修正する可能性があると述べている。同社は会計問題について、売り上げの計上方法に関連していると述べたものの、これ以上具体的に述べることは控えている。同社は、ここ1年の間に何百社もの企業で見つかったストックオプションのバックデート問題とは異なる問題を抱えているものと思われる。
Rollins氏がDell氏の後継としてCEO職に就任したのは2004年のことだった。それまではDellの社長と最高業務責任者(COO)を経験し、Dell氏とともに会社の舵取りをするリーダーと見られていた。1996年のDell入社前まで経営コンサルティング会社Bain & Co.に勤務していたRollins氏の任務は、豊富なビジネス経験を活かして、 テキサス大学の寮の一室で生まれたDellの成長を促進することだった。
Rollins氏の経歴が書かれたページへのリンクはDellのウェブサイトから削除されている。しかし、本稿執筆時点(米国時間1月31日午後)に確認したところ、ページそのものは存在していた。
IDCのアナリストRichard Shim氏は、「驚くべき事態だ。Rollins氏は(Michael)Dell氏か信頼を寄せていた人物だ。もっとも業績を見れば納得もできるが。Dellは法人市場における不振のあおりを受けて苦戦していたし、サプライチェーンとスケールメリットを活用するいつものやり方も今回は有効でなかった」と述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス