Hewlett-Packard(HP)がPC市場において急速な伸びを見せる一方で、Dellはシェアを落としている。米国時間4月18日に発表された市場アナリストの報告書から、このような傾向が明らかになった。
IDCによると、世界第1位のPCメーカーであるHPは第1四半期、PCの出荷台数を前年同期より28.2%伸ばし、世界市場シェアを16.5%から19.1%に拡大させたという。
一方、ライバルのDellは、世界出荷台数が6.9%減少し、市場シェアを18.2%から15.2%へと落としている。
IDCのアナリストDavid Daoud氏によると、企業ごとに差はあったものの、第1四半期のPC市場は世界出荷台数が10.9%伸びるなど、比較的好調だったという。さらに、Microsoftの新OS「Window Vista」がリリースされたことにより、価格の下落傾向にもある程度の歯止めがかかった。その結果、第1四半期は業界の総売上高も増加したのではないかと、Daoud氏は見る。これまでは、価格下落の影響で、出荷台数の増加が総売上高に反映されないことがあった。
IDCによると、第1四半期には、デスクトップPC、ノートPC、x86サーバがあわせて5890万台出荷されたという。同じくPCの出荷台数を調査しているGartnerは世界出荷台数が8.9%増加したとしており、HPの出荷台数の伸びは28.7%と述べている。一方、Dellの出荷台数は7.8%減少したとされている(IDCとGartnerの数字の差は、両調査会社が用いる手法の違いによるもの)。
PC市場の伸びには地域ごとの差も表れた。IDCによると、米国のPC出荷台数は3.6%増にとどまったため、北米市場の伸び率は、欧州、中東、アフリカを合わせた市場とアジア市場に続く第3位になってしまった。
市場全体が好調だったからといって、PCの部品メーカーがどこも、第1四半期を好調に終えられたわけではない。Advanced Micro Devices(AMD)は同四半期の売上高と利益の見通しを下方修正し、Seagate Technologyも17日、デスクトップの売上が3月に減少したことを受け、売り上げと利益が予測を下回ったことを明らかにした。
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