われわれの日常生活のほぼ全ての物がデジタル化されているにも関わらず、牛肉やベビーキャロットの特売を知らせる日曜日のチラシ広告は従来のままだ。そこで、Hewlett-Packard(HP)は食料品の買い物というごくありふれた作業さえもデジタル化する技術を開発している。
カリフォルニア州パロアルトにあるHP Labsでは、Retail Shopping Assistant(RSA)と呼ばれるインストアのキオスクソリューションを開発している。この技術により、食品、衣料、家電製品の購入、販売が容易になる。
HP Labsは、これまでインクジェット印刷技術やポケットサイズの科学計算用電卓などを開発してきた。RSAは決して最先端技術というわけではなさそうだ。この点はHPも認めている。しかし、RSAはHPの新しい主要事業のいくつかの分野を組み合わせたものである。
HP Labsでイメージング&プリンティング用小売アプリケーションを担当するマネージャーのMohamed Dekhil氏は、「技術はある」としたうえで、「問題はそれらをどのように組み合わせるかだ」と語った。
RSAの発想は以下の通りだ。例えば、ある客が食料品店に入り、買い物リストを持参する代わりに、機械に会員カードを通すか、電話番号を入力する。すると、その客が自宅でインターネットを通じて入力した買い物リスト(例えば、牛乳、卵、プレッツェル、牛のひき肉、リンゴなどが書かれている)がプロフィール上に表示される。また、その客の買い物習慣に合わせた特売品も併せて表示される。会員カードには、その客がコーラよりもダイエットペプシを好むとか、1週間おきに卵1パックを購入するといった情報があらかじめ記録されている。RSAは各顧客の情報と店の特売品を照合し、適切なクーポン券を作成する。
RSAはさらに、印刷された特売品や購入品目のリストを発行する。そのリストの裏には店内の地図と全商品の位置が印刷されている。それを見れば、客は店内のすべての売り場を隈なく探す手間が省ける。またクーポンの切り抜きをいちいち探さなくても、リスト上に印刷されたバーコードが顧客ごとにカスタマイズされた特売品の購入状況を追跡記録し、すでに購入済みの商品を買い物リストから削除する。
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