Hewlett-Packard(HP)は米国時間5月21日、サービス指向アーキテクチャ分野への対応を強化し、Mercury Interactiveの買収を大きく活用するコンサルティングとソフトウェアを発表した。
同社は記者会見において、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の補強に向けたIT業務管理戦略の概要を明らかにした。SOAは、ビジネスアプリケーションを短時間でオンライン化するモジュール型システムデザイン。
SOAにより、さまざまな状況で利用可能なネットワーク認証や顧客検索などのサービスが開発できる。これらコンパイル済みサービスを使い、既存のサービスを組み合わせることにより、企業は、短時間で新しいアプリケーションを投入できる。
HPの製品はこれらのサービスを使うときのルール(ガバナンス)の確立のほか、サービスのテストや、これらを実行するデータセンターの管理にも重点を置いている。
HPは同日さらに、Mercury Interactiveのテストおよびガバナンスソフトウェアと、自社で開発の管理ソフトウェアシリーズとのさらなる統合を発表した。Mercury Interactiveは、HPによる2006年の買収に先立ち、サービスの定義、格納、および利用開始後のトラッキングを受け持つレジストリを開発するSystinetを買収していた。
HPの最高経営責任者(CEO)、Mark Hurd氏によると、同社は、利益の拡大を目指して、ビジネスソフトウェアに関する取り組みを強化しているという。同社は5月に、ビジネスインテリジェンス製品の「Neoview」を発表している。
SOA分野では、HPは法人顧客によるプロジェクトの確実な導入の支援を目指したソフトウェアとサービスを揃えたと、HP SoftwareのシニアバイスプレジデントTom Hogan氏は語っている。
ライバルの名指しを避けつつもHogan氏は、同社がソフトウェア開発ツールやミドルウェアよりも運用に関する専門知識を持っていることから、複数のプロバイダーが提供する製品で構成された『異種』システムの管理で中立的な役割を果たせる、と語った。
「この分野にいる他のベンダーを考えた場合、開発スタックや統合製品、またはアプリケーションポートフォリオに縛られている」とHogan氏は述べる。「SOAで成功するカギは、異種環境にあると考えている」(Hogan氏)
Thomson Financialによると、金融サービス会社がこれらのガバナンスツールを使えば、サービス導入プロセスを20人以上で管理する代わりに、1人で対応できるようになるという。
つまり、企業は数週間ではなく数時間で製品を市場に投入できることになる。Thomson Financialのコアサービス製品管理担当バイスプレジデントVladimir Mitevski氏は、「この部分がROI(投資利益率)的に大きい」と語る。
HPの幹部らはさらに、同社のSystinetレジストリに関する強化についても詳細を明らかにした。ユーザーは、サービスの利用承認をかなり詳細にコントロールできるようになるという。
HPの幹部らによると、コードを書く必要のないウェブベースのテスト製品を使ってサービスのテストや変更の影響をシミュレートするモジュールもあるという。
HPはさらに、「Center of Excellence(COE)」の設置によりコンサルティングも強化してきた。ここでは、HPのコンサルタントが企業でSOAアーキテクトと協力して作業にあたる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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