ヤフー対楽天、“第2.0幕”の決戦に向けた技術重視路線を鮮明に

島田昇(編集部)2007年03月28日 08時00分

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 「1番手と2番手が激しくやりあって疲弊した時に、3番手以下が出てくる。これは古今東西変わらぬ、普遍的な真理だ」

 ポータル(玄関)サイト事業を本格始動し、当時の球団「大阪近鉄バファローズ」の買収に名乗りを挙げる直前の2004年初夏。今は元ライブドア社長となった堀江貴文被告は、予言めいた言葉を記者に残していた。

 これは、当時盛んだったヤフーと楽天による最大手ポータルを巡る戦い「ポータル戦争」に対し、ライブドアこそが、最終的な覇者になることを意図して発せられた言葉だ。

 その後、予言が現実に変わるかのような勢いで、ライブドアは楽天との球界新規参入争い、続いてフジテレビジョンを相手取った敵対的買収に映る行動などで、一躍有力ポータルサイトとして浮上。しかし、2006年に入って、堀江被告ら首脳陣が証券取引法違反の容疑で逮捕されたことをきっかけに、その勢いは急速に衰えていった。

 皮肉にも、自らが疲弊してポータル戦争から退場したライブドア。1番手のヤフ−と2番手の楽天という構図は、変わらなかった。

 ところがそれ以降、ネット市場では大きな新潮流が到来することになる。Web 2.0のサービスを軸とした新勢力の台頭だ。

 世界的にはGoogle、国内ではミクシィを代表とする勢力は、ポータル戦争にばかり目が向けられていた状況を覆しつつある。ミクシィはすでに、楽天に追いつき追い越し、ヤフーの絶対的な地位さえ脅しうる存在となった。

 冒頭の予言通り、ミクシィなどの新勢力によって、“巨人”ヤフーと楽天の壁は乗り越えられるのか。あるいは、依然として大量の利用者を抱えるヤフーと楽天が、新勢力の追随を許さないのか──。

 ここにきて「Yahoo!JAPAN研究所」「楽天技術研究所」の存在を明らかにし、Web 2.0のサービスにおいて重要な要素であると言われる「技術」やそのベースとなる思想にようやく目を向け始めた、ヤフーと楽天のWeb 2.0関連の取り組みについてまとめた。

 

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