データセンターと企業のコンピューティングにおけるエネルギー効率の向上を目指す非営利組織Green Gridは米国時間2月26日、同組織最初のボードメンバーを発表した。
11社から成るGreen Gridのボードメンバーは、Advanced Micro Devices、Intel、Dell、Hewlett-Packard、IBM、Microsoft、Sun Microsystems、Rackable Systems、SprayCool、VMware、American Power Conversionで構成される。また同コンソーシアムは26日、その組織構成と技術憲章を決定し、3件のホワイトペーパーを発表した。
2006年4月に結成を発表した同非営利組織は、世界中のデータセンターと企業のコンピューティングにおける省電力化を目指して、その手法や技術とともに、ベストプラクティスを紹介することを目的としている。
クリーンテクノロジーへの関心が高まる中、同組織は結成された。企業や消費者がより高性能なコンピュータやチップを要求し、また企業のデータセンターはますます機器が密集して今まで以上に冷却が必要となっているため、消費電力量は急激に増加している。
2006年の「Global Conference on Energy Efficiency in the Data Center(データセンターにおけるエネルギー効率についてのグローバルカンファレンス)」においてSunの最高技術責任者(CTO)は、4、5年前の高さ6フィート(約1.8メートル)のラックに収められたコンピュータ機器は2〜3キロワットの電力を消費していたが、現在では10〜20キロワットを消費すると述べた。
26日の発表の一環としてGreen Gridは、「The Green Grid Opportunity」「Guidelines for Energy Efficient Data Centers」「The Green Grid Metrics: Describing Data Center Power Efficiency」という3件のホワイトペーパーを発表した。
これらのホワイトペーパーでは、新旧両方のデータセンターにおいてエネルギー効率を向上させるための短期的および長期的な目標などのテーマについて調査している。また、データセンターの従業員がシステムのエネルギー効率を簡単に評価できるように、「Data Center Efficiency(データセンターにおける効率性)」というメトリックと合わせて「Power Usage Effectiveness(電力の使用効果)」というメトリックを利用する場合についても論じられている。
プラットフォームに依存しない仕様やメトリックの確立を目的とする同組織は、2種類の会員で構成される。
1つは年間5000ドルの一般会員で、同組織が作成するすべての技術文書と知的財産(IP)ライセンスへのアクセスが提供される。もう1つは年間25000ドルの特別会員で、Green Gridの技術ワーキンググループに参加し、技術文書を開発の各段階でレビューし、同コンソーシアムの方向性に直接関与する権利も与えられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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