Intelは米国時間9月5日、向こう1年間をかけて大規模な人員削減を実施する計画であることを発表した。同社では、プロセッサ市場におけるシェアの減少を受け、戦略の見直しを行ってきた。
CNET News.comが最初に伝えたように、同社がレイオフの対象として最初に手を入れるのはマーケティングと情報技術の両部門だ。同社は2007年半ばまでに、2006年第2四半期末時点より従業員数を1万500人削減するという。
同社は、1万500人の社員を解雇することで年間20億ドルのコスト削減を実現する計画だ。Intelはこれまでにも管理職1000人の削減計画や、Marvell Technology Groupへのコミュニケーションズ部門売却などを発表している。20億ドルという金額にはこうしたレイオフや事業部門の売却によって削減される経費も含まれる。Intelはさらに、Eicon Networksにもメディア/シグナリング事業部を売却している。これらの事業売却にともない、合計約2000人の社員が外部に移籍する。
Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は今回の計画を発表するプレスリリースのなかで、「Intelは、1〜2年という短い期間でなく、長期的な戦略を視野に入れ、身軽かつ効率性の高い企業に変革していかなければならない。難しい判断だったが、これを実現するためには必要な措置である」と述べている。
2006年は前述の各部門を中心に人員削減が実施されるが、2007年は他部門でもレイオフを実施すると、Intelは述べる。同社は、2008年には年間30億ドルの経費削減を実現したいと考えている。
Mulloy氏によれば、Intelでは社内業務に従事する従業員よりむしろ、顧客と直接やり取りをするマーケティング担当者の割合を増やす意向だという。また製造現場における業務の効率化も図っていく構えだ。さらにコスト削減計画の対象は、2007年には人事部門などにも及び、その結果、従業員数は9万2000人になると同氏は述べる。
Intelは、最大のライバルであるAdvanced Micro Devices(AMD)にデスクトップPCとサーバの両分野でシェアを奪われている。Opteronプロセッサが2003年に登場する前までのAMDの市場シェアはゼロに等しかった。だが、AMDはx86サーバプロセッサ市場で、第2四半期には26%のシェアを獲得するまで成長しており、2010年には40%のシェアを獲得することを目指している。
Intelでは、製品価格を引き下げることでマーケットシェアの奪還を目指したため、これまでに発表した2006年の業績は利益の減少が目立つなど、投資家を落胆させる内容となっていた。Intelでは今後、エネルギー効率が良く、AMD製品よりパフォーマンスが高い製品を複数投入することで巻き返しを図っていく。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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