ロサンゼルス発--次世代DVDレコーダーの規格を巡ってHD DVDとBlu-ray Discが激しい宣伝合戦を繰り広げている中で、軍配がどちらに上がろうとも確実に利益を得る人々がいる。特典映像のデザイナーたちだ。
特典映像デザイナーの仕事は、監督のコメントや俳優の経歴紹介などの映像をDVDに追加することだ。HD DVDもBlu-rayも、どちらの技術もより魅力的な特典映像を開発する手段を提供してくれているので、これからは自由にいろいろなことができそうだとデザイナーたちは言う。
ニューヨークにあるデザイン会社、Giant Interactiveの創立者の1人であるDavid Anthony氏は、次のように話す。「世の中は過去10年で進化したが、(DVDデザイナーは)ちっとも変わっていない。DVDプレーヤーは基本的に、この10年間にまったくアップグレードされていない家電製品の1つだ。インタラクティブ機能や処理能力、グラフィックスで目立った変更が何も加えられていない。新しいフォーマットでは、われわれも何か素晴らしい仕事ができるだろう」
Anthony氏のこの言葉は、米国時間8月6日にロサンゼルスで開催されたDVD Forumに出席し、HD DVDの技術開発に関する一連の最新情報を聞いた後で発せられたものだ。HD DVD技術を支持する陣営は、次世代DVDの標準規格の地位を目指してBlu-ray陣営と熾烈な競争を展開している。新規格はどちらも、今のDVDよりずっと多くの情報が記録でき、画像も音も高品質なものを提供できるとしている。
HD DVD陣営の技術者たちは、DVD ForumでHD DVD技術の新機能の一端を披露した。
今後は特典映像を呼び出すのに本編の再生を止める必要はなくなるだろう。すべてのHD DVDプレーヤーには2つのビデオデコーダが搭載されることになっているため、2つの映像の同時再生が可能になる。つまり、ユーザーは本編を見ながら横に小さな窓を開き、そこに別の映像クリップを呼び出して見ることができる。
「初めて、2つの別々の映像を同時にストリーム再生できるようになる」とAnthony氏は言う。
この機能は、まったく新しい映画鑑賞体験をもたらすだろう。たとえば、映画を見ている最中に、この凝ったスタントはどのようにして撮影されたのだろうと思ったら、その秘密を解き明かすメイキング映像を呼び出して確かめられる。シーンを違ったアングルから眺めたい、映画についてきたインタラクティブゲームを同時に楽しみたい、などという希望を実現できる可能性もありそうだ。HD DVDにはインターネット接続機能もあるので、DVDの予告編を差し替えて、古い映画の広告を見せないようにデザインすることもできる。
Anthony氏は、Blu-ray陣営もまた、ディスクに独創的な機能を追加しようとしていると語る。
しかし、こうした新機能を応用するには、コンピュータをよく知るデザイナーが大勢必要になるだろう、とAnthony氏は指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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