IBMは米国時間11日、コンピュータの処理能力を顧客へレンタルするプログラムに、新たなオプションとしてBlue Gene/Lスーパーコンピュータを追加した。
IBMは2003年に、Deep Computing Capacity on Demandプロジェクトを開始し、顧客がIBMのマシンを購入する代わりに、使用料を支払うことで短期的にこれを利用できるようにした。このプログラムは、コンピュータの使用頻度が一定でない顧客や、自前のコンピューティングインフラの購入および運用を望まない顧客を取り込むために考えられたもの。
これまで同プログラムでは、LinuxまたはIBMバージョンのUnixが動作するx86サーバやPowerプロセッサ搭載サーバが提供されていたが、同プログラム担当バイスプレジデントのDavid Gelardiによると、今回Blue Gene/Lも利用可能になったという。同マシンは、タンパク質合成などの計算処理を高速化するよう設計されたLinuxシステム。
Blue Gene/Lは、1024基のデュアルコアPowerプロセッサを1台のラックに収容した異例のマシンで、IBMは11月にこのシステムを1ラック当たり約200万ドルで売り出した。同社がLawrence Livermore国立研究所に納めた16ラックモデルは、現在世界最速のマシンで、さらに2005年中頃までに4倍の規模になる予定だ。
これに対して、Blue Gene/Lを8分の1ラック使用するオンデマンドプログラムの費用は、1週間当たり約1万ドルになるとGelardiは言う。同氏によると、この料金で計算した場合、完全なシステムを6カ月または9カ月以上使用する計画の顧客は、同じ構成のシステムを購入した方が得になるという。
IBMは今のところ外部向けのBlue Gene/Lを1ラックしか用意していないが、今後必要に応じて新しいモデルを自社の施設に導入していくとGelardiは述べた。
IBMが汎用スーパーコンピューティングのオンデマンドサービスを提供している顧客20社のなかには、Petroleum Geo-ServicesやLandmark Graphics (Halliburton の子会社)が含まれている。また、Hewlett-Packard(HP)でも計算処理能力のオンデマンドサービスを提供しているが、しかしこうした戦略を最も積極的に展開しているのはSun Microsystemsで、同社の場合サーバを1プロセッサ当たり1時間につき1ドルで提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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