富士通、独SAP、SAPジャパンの3社は6月15日、プラットフォーム分野での協業を強化すると発表した。これにより富士通は、SAPのアプリケーションプラットフォームNetWeaverと富士通・シーメンス・コンピューターズの統合プラットフォームFlexFrame for mySAP Business Suiteを組み合わせて販売していく。
FlexFrameは富士通の欧州関連会社である富士通・シーメンス・コンピューターズが開発したSAPソリューション向けの統合プラットフォーム。「TRIOLEのSAP版と考えてもらえばいい」(富士通 経営執行役常務の伊東千秋氏)。2004年5月には世界で初めてSAPのアダプティブ・コンピューティング・コンプライアンス・テストに合格している。
従来のSAPシステムでは、1つのSAPアプリケーションに対して開発機・評価機・本番機の3台のサーバが必要だった。これに対しFlexFrameはハードウェアリソースを動的に割り当てる機能を持つため、システムの柔軟な拡張や運用コストの削減が可能になるという。欧州ではすでに約30社の導入実績があり、ドイツの自動車照明機器メーカーであるHellaでは30%以上のTCO削減を実現したと同社では説明する。
左からSAPジャパンの藤井清孝氏、富士通の伊東千秋氏、独SAPのステファン・ロシウス氏 |
富士通とSAPは2000年12月にグローバル・テクノロジー・パートナー契約を締結し、技術協力やノウハウの共有を進めてきた。会見では今まで目に見えた成果がないという指摘もあったが、伊東氏は「よりきちんとした成果を出そうということで今回の発表に至ったと考えてもらっていい」と話す。富士通はR/3の競合となる統合業務パッケージGLOVIAを提供しているが、この点については、「顧客の要望に応じて最適なソリューションを提供する」と述べるにとどめた。
富士通ではFlexFrameを2004年下期から国内で販売する。価格はシステムによって異なるが、5000万円からとなる予定。さらに富士通はFlexFrameやNetWeaverを用いた提案や導入/運用支援を行う組織として富士通NetWeaverソリューションセンターを7月1日に開設する。SAPは富士通NetWeaverソリューションセンターに対して技術支援やトレーニングを提供するという。
今後、両社は同様の取り組みを欧州・北米・東南アジアへも順次展開する。これにより、2005年末までに世界で300システムの販売を目指すとしている。
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