IDCが米国時間17日に発表したレポートによると、今年のERPアプリケーションの売上は、昨年より7%増加して267億ドルに達し、トップベンダ各社がシェアを拡大する見込みだという。
ERP(基幹業務システム)ソフトウェアの売上回復に貢献しているのは、中規模企業や政府機関、医療関連企業だ。その理由として、IDCは、これらの業界や分野でIT支出が増加したことと、生産性を向上させる新しいアプリケーションに対する累積需要が高まっていることを挙げている。ERP市場は、2008年には約370億ドル規模に達すると見込まれている。
「ここ6カ月〜9カ月の間で、復調の兆しがより鮮明になってきた。昨年は、これらのERPユーザーにとって準備期間のようなものだった。そして2004年は、実際に契約を結び、(ERPシステムを)実装する年だ」と、IDCで企業アプリケーション調査担当ディレクターを務めるAlbert Pangは述べる。
2年前、ERP市場は規模が237億ドルと低調だったが、昨年は5%の成長を果たし、今年はこのままいけば7%の成長が見込めると、Pangはいう。
「医療業界は成長が見込める分野の1つだ。医療業界の多くの組織は、いまだにレガシーシステムを使っており、統合ソリューションへ移行したいと考えている。また、公共セクターも成長分野だ。彼らは自分たちで開発したソリューションやレガシーシステムを使っており、やはり統合ソリューションへの移行を検討している」(Pang)
オープンソーステクノロジーへ移行する動きは、ERPソフトウェアの需要を刺激するのに一役買っており、組織や企業がシステムのアップグレードを検討する時期に差し掛かっていることから、この動きに一層の弾みがついているとPangは述べた。
市場が成長するにつれ、ERPベンダの上位10社が、より大きなシェアを獲得するようになるだろうとIDCは予測している。昨年は、上位10社が市場規模250億ドルのうちの46%を占めた。ちなみに一昨年の10社のシェアは、44.5%だった。
ERP市場の上位5社に名を連ねているのは、SAPやPeopleSoft、Oracle、Microsoft、Sageである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス