日本では、SUSE LINUXより12カ月先行してRed Hatの導入が進んでいる。Novellは、今年1月の独SuSEの買収を経て、本格的に日本のLinux市場に参入する。ここでは、SUSE LINUXとRed Hatの違いについて、NovellでSUSE LINUXを担当しているGeneral Manager Americas Holger Dyroffに話を伺った。
「SUSE LINUXは、チャネル販売に重点を置いているので、IBM、HP、SGI、インテル、AMD、オラクル、SAPなど、主要なパートナーと強力なアライアンスを組んでいます。また、企業向けのシステムとしては欠かせないサポートが充実しているのも大きな特徴です」
SUSE LINUXは、パートナー販売やチャネル販売を推進し、重要な顧客向けには専任販売制を用いるなど、企業向けに特化した販売方法を行っている。Red Hatは直接販売が主流だという。
「例えば、メインフレームがIBM製であれば、今までと同じように何の問題もなく使用できます。SUSE LINUXに搭載されたYaST(Yet Another Setup Tool)によって、システムが容易に管理でき、オペレーションがスムーズになります。Red Hatで同等の機能を得ようとすれば、さらに5つから10つのアプリケーションが必要になります」
YaSTは、異機種が混合したネットワークを一元管理できるNovell独自のオープンソース管理ツールだ。YaSTは、異機種のLinux環境を統合していくうえでSUSE LINUXの最大の強みとなる。
Holger Dyroffは、「SUSE LINUXは、Kernel 2.6に対応したことで、パフォーマンスの向上が期待されています。6000名の社員が顧客への行き届いたサポートを実現します。当社は、品質+サポートの面でSUSE LINUXを全面的にバックアップしています。もちろん、日本法人でも積極的にサポートしていくでしょう」と、SUSE LINUXに対するNovellの取り組みについて話す。
企業向けのサーバOSに欠かせないセキュリティ面での強みについては、「SUSE LINUXは、米国政府のセキュリティ標準をクリアしています。近年、セキュリティー面は最重要課題ですから、すでに政府の保証があるということは大きな強みになります」と話す。
「SUSE LINUX Enterprise Server 8は、日本語のローカリゼーション済みであるほか、サーバのユーティリティーソフトやインストールマニュアルも日本語化されていますので、すぐに使っていただけます。楽しみにお待ちください」
「SUSE LINUXのブランドの認知度を上げるには?」との問いに対し、「日本には、Netwareのユーザーがいますので、その実績をもとに顧客を獲得していく予定です」と語った。
最後に日本の技術者に向けてHolger Dyroffは、「BrainShare 2004で、SUSE LINUXの確かな手応えを感じました。私たちは、SUSE LINUX Enterprise Server 8の導入を歓迎します」とコメントした。
SUSE LINUXの登場で、Linuxのエンタープライズ市場が本格的に始動する。今後のSUSE LINUXとRedHat Linuxの攻防が見逃せない。
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