最初に登場したCEO Jack Messmanは、満席の視聴者の中、ゆったりとした足取りで壇上に上った。そして、こう言い放った。
「Linuxデスクトップの時代が来た。Windowsはもういらない」
この言葉に観客は敏感に反応し、さらに会場が沸いた。Linux戦略の概念の説明に終始した昨年とは異なり、Linux用の製品群を取りそろえ、数多くの発表を行っている今年のNovellは、ビジネスリーダーとして市場で勝負するという強気の姿勢だ。
Novell CEO・Jack Messman
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第20回目を数えるBrainShareには、Novellの顧客やパートナー、報道関係者、業界のアナリストなど、約6000名が参加する予定。Novellが提唱する新しい技術やソリューション、パートナーシップなど、企業の情報化を促進するための様々な情報を提供し、ユーザー企業に先進的なIT投資を行ってもらうのが狙いだ。
年一回行われるBrainShareに対して、Novell CEO Jack Messmanは、リリースの中で「過去20年のBrainShareカンファレンスで2004年に匹敵するものは、あったとしても非常に少数だ」と発言している。
このことからも、NovellがBrainShareで発表する数々の情報が、同社にとっても大きな転機となり、顧客に与えるインパクトも大きいことを物語っているといえる。その中心となるのが、Linuxビジネスへの本格的な参入である。
Jack Messmanの次に登場したのは、Vice Chairman・ Chris Stoneだ。彼の人気はとても高く、壇上に上がるまで、歓声が途切れなかった。何を隠そう彼が、今回のLinux戦略の鍵を握る人物。満面の笑みを浮かべながら観客の声援に応え、彼独自のユニークな講演が始まった。
Vice Chairman・ Chris Stone
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「年末までにあなたのデスクトップは変わる」「Windowsが最も良い製品なのか。あなたは近い将来必ずLinuxをインストールする」
そのほかにもサプライズゲストとしてLinuxの創始者Linus Torvaldsが招待され、Jack Messmanらが行った製品のデモに立ち合い、「(Novellは)Linuxで次の大物になるはずだ」と花を添えていた。
製品としては、NetWareとSUSE Linuxの双方の長所を組み合わせた「Novell Open Enterprise Server」、今回オープンソース化したLinuxを管理するソリューション「YaST」、SUSE LINUX DesktopとSUSE LINUX9をサポートした「Ximian Desktop 2」などが紹介された。
冒頭の基調講演でJack Messmanは「Novellは戻ってきた」と復活宣言。後の記者会見では、「当社の方向性を模索していたら世間の認識度が落ちていた」とその意味を明かした。しかしすぐに「今年は違う」と発言。大きな方向転換に迷いはなかったようだ。
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